自社商品を海外進出させたい!日本企業のためのソーシャルメディアマーケティング

2023年6月1日 18 min read

こんにちは、インド発のソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。

こちらのブログ記事にたどり着いてくださったあなたは、

  • 企業のマーケティングご担当者様
  • 自社商品の海外進出を目指して動き出している方

ではないでしょうか?

あなたがすでに売るモノつまり商品やサービスを持っていて、さらにその販路を日本国外へも、と考えている場合はぜひこのまま記事をブックマークしてください。

タイトルのソーシャルメディアマーケティングだけではなく、そもそも日本企業が海外で商品を売ること、その際の考え方についても切り込んだハイボリュームな内容でお届けしますのでお見逃しなく。

このブログを執筆しているStatusbrewも、ソーシャルメディアマーケティングツールとしてインドが本社、100%インドで開発されているソフトウェアなのですが、ご覧の通り私たちは2019年より日本の企業様向けにも本ツールの販売を本格始動し、かれこれ5年になります。

私たちのようなソフトウェアに限らず、世界中どの製品やサービスであっても、マーケティングなくして商品を売る、もっと言えば自国以外の国であなたの商品を受け入れてもらうには、いえ、進出させて売り上げを確立させようとすると、並なみならぬリサーチや労力、このマーケットだけに全てをつぎ込む覚悟が必要です。

前置きが長くなりましたが、本ブログでは

・日本企業が海外に自社商品を進出させる際の考え方の部分

・海外進出を行う企業が行えるマーケティング手法: ソーシャルメディアマーケティング

と大きく2つに分けて進行します。

前者がなければ、根底にある重要な要素を見逃しがちになり、ソーシャルメディアを利用するにしても頓挫する可能性が高いからです。

さらに今回は、より「海外進出」をご自身のターゲット国と置き換えて考えやすいように、Statusbrewの本社でもあり、今回取材の協力をいただいた日本のマーケティングエージェントStorytelling社の本社もある「インド」をマーケット例にお伝えするため、よりイメージが湧きやすいことを願っています。

【目次】

日本企業が海外に自社商品を進出させる際の考え方の部分

(1) 海外の目線から見た「日本独自のウェブサイトにみる不思議なデザイン」


ソーシャルメディアマーケティングを成功させるためのガイド

(1)国ごとに違う広告費

(2)オーディエンスターゲティングの違い

-インフルエンサーや地元の有力者とのコラボレーションを行うべきか?

-国と地域によって異なるユーザーエンゲージメントを高めるための施策や工夫

-インド-日本間のデジタルマーケティング企業のソーシャルメディア成功事例

toB企業 - LinkedIn

toC企業 - Instagram

・日本企業が海外進出する際、マーケティングで遭遇する可能性のある課題

自慢の自社商品を、海外で手に取ってもらいたい。そのために欠かせない売る仕組みを作るマーケティングですが、大きく分けて2つの課題が発生します。

1つは会社の組織としての体制、2つめはそもそもターゲット国でのブランドアイデンティティの確率です。

1つ目はソーシャルメディアなど様々なマーケティングチャネルで商品を発信していくためのチーム体制が足りない場合です。せっかく組んだマーケティングチームのヘッド層がモダントレード、ジェネラルトレード出の場合、ソーシャルメディアリテラシーが低く、デジタルマーケティングチームとの軋轢が生じることはよく発生します。

理想はデジタルマーケティングチームに派生してソーシャルメディアマネージャー率いるソーシャルメディアマーケティングチームを立ち上げることです。

ソーシャルメディアマネージャーに、まずはソーシャル上で発信して良いサービスまたは製品か?を判断してもらうべきです。これはターゲット国での法規制と倫理的な観点の双方から、できれば現地のマーケターに助けを依頼しても良いでしょう。

コンテンツ内容のバリデーションチェックなどは現地の知見のあるエキスパートの意見は可能な限り都度確認すべきです。確認できるパートナーを持っておくことが大切です。

特定の国に強い!マーケティング代理店を採用するという手段、選び方についてはのちに詳しく解説します。


2つ目は、本国(日本)のブランドアイデンティティを確立させながらも、ローカライズして売る余白があるかも重要です。ローカライズはマーケティングだけで十分なのか、それとも製品自体に手を加える必要があるのかの判断も必要です。また、本国でのブランドの認知度や立場が確立していない場合は、海外に進出してもソーシャル上でパーソナリティの存在が難しくなります。

-海外市場でのブランディング戦略を立案する際、どのような要素を考慮すべきか

本国である日本と、日本国外のターゲット国とでは、ブランディング戦略は異なるべきでしょうか?
日本発というブランド・アイデンティティのコアの部分は残しつつ、ソーシャルメディア上での表現の方法はローカライズしたほうが、受け入れられやすいでしょう。

具体的に、日本のブランドを海外進出させたソーシャルメディア投稿を見てみましょう。

愛知県発祥のカレーライスチェーンのCoCo壱番屋は、すでにアメリカやアジア各国に海外出店を行ってきていますが、ついにカレーの国インドにローンチし話題にもなりました。

もっともらしい「黄色」のブランドカラーパレットを残しつつ、初期のことはレギュラーメニューの紹介や、注文の際のオプションの豊富さなどを投稿していました。

ブランディングは、海外展開の製品・サービスがそもそも異なる、または、ローカルの潮流やニーズとブランドが日本で謳っているベネフィットが整合しない場合は、大幅な変更の検討する必要があります。

(1)海外の目線から見た「日本独自のウェブサイトにみる不思議なデザイン」

インターネットで Japanese website designと検索して、できる限り読んでみると面白い発見があります。

筆者検索画面

なぜ日本のデザインは他の国とこんなにも違うのか?と疑問に思う人が多いようです。私たち日本人が慣れ親しんでいるようで、国外のユーザーが取り上げる

・楽天市場

・ニコニコ動画

・価格.com

・@アットコスメ

のようなプラットフォームは、総じて90年代で止まっていると評されることも多く、

・Dense tightly packed text → ぎっしり詰まったテキスト

・Tiny low-quality images → 低品質かつ小さいサイズの画像

・More columns than you can count → 数え切れないほどの行数

・Bright clashing colors and flashing banners → 多すぎるカラーパレット

・Overuse of outdated technologies like Flash → 時代遅れな技術の多用

がリサーチする中で最も多い感想でした。


日本という国はまずモバイルファーストであること、文学や漫画などから始まり活字カルチャーであることから、最近ではショート動画なども広まってきましたが「文字で伝える→理解する」傾向にあるユーザーが多いことからも日本人好みの商品の見せ方は一理あります。

検索すると多く出てくることから、海外で受け入れられるには少しでも良いので、「活字でいっぱいにしない」などシンプルなデザインを取り入れることも検討しましょう。

Why Japanese Websites Look So Different
& how to analyze design choices without jumping to conclusions

参照

-日本で販売している形態(ソーシャル上の打ち出し方)と大幅に変更すべきか?

ブランド戦略におけるターゲットオーディエンス、ブランドUSP(消費者の購入理由となる特徴的なベネフィットを表すスローガンやメッセージその他の価値提案)、製品USPが、国内で販売しているときと同じストーリーとして成り立つかどうかを一番最初に検討しましょう。

日本でOKであっても、中には受け入れられない販売形態などもあります。

この「日本ではOKだけど、ターゲット国では打ち出せない」には相当なリサーチが必要でしょう。これは現地の強力なパートナーを持つことが一番です。ウェブやソーシャルでのリソースももちろん大切ですが、誰がどの立場から書いたものなのか?を十分にコンセントすることが重要です。

-言語やコミュニケーションの壁をどう乗り越えるべきか?

日本企業が海外市場でソーシャルメディア等のマーケティングを展開する際、当然といえば当然ですが、日本国外にいるユーザーは日本語を読める人の方が少ないはずですので、「日本語」で商品やサービスを売るわけにはいきません。グローバルマーケティング部など現地の言語に精通する人材が確保できていれば最高ですが、言語やコミュニケーションの壁をどのように克服すべきでしょうか?代理店に任せてしまう、のももちろんありですが、ブランドオーナーである、そして商品を進出させたいと願う企業こそが、ダイレクトにコミュニケーションできるくらいでなければいけない、というのは理想ですが、ソーシャルメディアマーケティングにとどまらず、広報・プロモーション活動において日本企業は「説明しきること」が苦手です。海外進出するような企業はすでに日本である一定の認知度を獲得している傾向があり、自社ブランドを全く知らない人に伝えるという経験が少ないはずです。また、ソーシャルメディアにおいては、実利的価値だけでなく「こんなに素晴らしい商品が日本にはあります、ぜひみて欲しい、伝えたい」とエモーションをのせることも求められるため、どういった感情体験をしてほしいかまで語りきることが求められます。

これを語れる人材がいることが最も望ましく、語れる=言語化してローカライズ、の流れを組み込めるのが良いでしょう。


例えば現地の言語(多くは英語圏でしょうか)そのものが苦手な場合であれば、ターゲット国に詳しい現地のマーケティングエージェントやパートナーは簡単に探すことはできます。

ただ自分たち自身が伝えたいストーリーラインを、パートナーに熱量を持って伝えられる土台作りは必要です。

-海外進出のために商品やサービスのローカライズをどこまで行うべきか?

単純に「最も早いアダプション」のために必須です。

英語圏の国で作られた製品やサービスで、英語圏の方であれば、訪問するウェブサイトや使用する製品のほとんどが英語である可能性が高いです。

しかし、世界の人口のうち、英語に堪能な人は20%にも満たないというのが実情です。つまり、ローカライズに投資しない限り、潜在的な市場の大部分はアクセスできないのです。

調査結果によると、76%の顧客が母国語で情報が提供された製品を購入することを好むことが判明しています。もちろん日本語で説明された商品ですから、日本国外の人が日本語を流暢に読めるし手に取れる、またはあなたの商品をすでに知っていて、商品の手に入れ方を検索しない限り、あなたの製品にリーチされることはありません。

同じ理由で、製品をローカライズするのと同じくらい重要なのは、ローカライズがうまくいっているかどうかです。そうでなければ、ローカライズされたバージョンは人工的なものに感じられたり、怪しく感じられたりするかもしれません。ターゲット国が英語圏の場合は、最近ではChat GPTのようなAIツール、さらにはGrammerlyのような英語の文法チェックツールなどがあるため積極的に使って、正しいローカライズができているか確認しましょう。

日本のブランドでありがちなのが、日本語英語により正しいプロダクトの説明文やキーワードにアプローチができていないが故に、ターゲット国への訴求ができていないことです。これほど「惜しい」ことはありません。

-海外進出を成功させるために、その国・地域に特化したエキスパート集団でもある代理店の力を借りるべきか?


答えはYesです。

冒頭で説明した、自分たちでマーケティングチームを組んで、ストーリーを伝えられる自信がある企業の方が少ないのではないでしょうか。

海外市場において、日本企業がソーシャルメディアをはじめとするマーケティングを効果的に運用するために、どのようなローカルパートナーや専門代理店と連携すべきか、を解説します。

海外進出する、しない関係なく、マーケティング代理店と協業する選択肢は豊富です。マーケティング代理店は無数に存在するからこそ、代理店選びは難しいです。

マーケティング代理店とはソフトウェアのような「プロダクト」ではなく「サービス」を提供するので、その「サービス」の定義づけを依頼するあなたが明確にしていなければなりません。つまりは双方の努力がなければマーケティング企業も100%の力を発揮してゴールに近づくことはできません。

自社のブランドのUSPを理解し、どういったブランドの印象をオーディエンスに体験させたいかを理解し、その分野が得意なパートナーを探すことを推奨します。

例えば、Instagramのオーディエンスは、大きく分けてインスピレーション・教育・エンターテイメントの3つのいずれかを求めていると言われています。あなたの商品をソーシャルメディアで宣伝したいときに、どこを突くべきか?をあなた自身が意思として持っていなければいけませんし、代理店もそれに合意して取り組む必要があります。

-信頼できるマーケティング代理店の選び方

海外ブランドを取り扱ったことがあるか?現地に信頼のできるパートナーを抱えているか?も一つの選定条件に加えましょう。海外ブランドのコアコンピタンスを残しつつ、ローカライズしたクリエイティブを発信することは、ローカルブランドのUSPを配信するプロセスより複雑性があります。選ぼうとしている代理店はそれを得意とするのか?を考えてみましょう。

また、ソーシャルメディアマーケティング関して後ほど解説しますが、ソーシャルメディアの運用を行う上で、ターゲット国のトレンド、商流やターゲット国での競合他社についてのリサーチに深みがある代理店を選ぶことを最もお勧めします。

ソーシャルメディアマーケティングを成功させるためのガイド

海外進出を行う企業が行えるマーケティング手法: ソーシャルメディアマーケティング

「マーケティング」とは、言わずもがな「商品やサービスが売れる仕組みをつくること」ですが、言ってしまえば

  • バズマーケティング(炎上マーケティング)
  • ティッシュマーケティング(路上で広告付きポケットティッシュを配るもの)
  • タクシーのパネル広告
  • ステルスマーケティング

もマーケティングですよね。

など多くの中でソーシャルメディアはいうまでもなく、世界中どの国でも受け入れられるマーケティング手法です。

ソーシャルメディアは、日本国内ではなく完全に海外向けのアカウントを設立し、正しく運用するだけで最も世界中のオーディエンスにリーチがしやすいことから、海外進出の際にはStatusbrewからも推奨しているマーケティング手法です。

企業のソーシャルメディアマーケティング戦略の設計方法

早速ですが、ソーシャルメディアマーケティングの実践に入りましょう。

いざ海外進出。ソーシャルメディアマーケティング戦略全体をどのように設計すればよいでしょうか?例えば「チョコレート」という食品が商品であったとします。それがマーケットの土台に乗ると確定している前提で、まず最初にソーシャルメディアマーケティングおいてやることはこの通りです。

1.ブランド・アイデンティティや海外展開用ブランドアセットのリストアップ

2.ローカルへのマーケティング戦略理解(プラダクトUSP・価格決定など)

3.競合アカウントのリサーチ

4.ターゲット国ローカルにおけるペルソナグループ設定

5.ペルソナインタビュー(できれば直接取材が好ましい)

6.カスタマージャーニーマップ作成

7.仮説検証ポイントの設定(すでに懸念点がある場合は必ず書き留める)

8.コンテンツプラン作成

これは海外進出問わず、どの工程もソーシャルメディアマーケティングを行う上で必要です。

(1)初期段階ではKGI・KPIの設計はどうするべきか?

自社のソーシャルメディア運用の目的、達成したいKGI・KPIを明確にして必ず実行する強い意思表示が社内で必要です。

これには、ブランドの市場におけるフェーズの理解も重要です。海外市場にセットアップしたばかりのブランドの場合は、まずはコンテンツを継続して配信することが最初の指標になります。

きっとこれまで「10個ほど投稿がしてあるけど6ヶ月前から更新が止まっている」ようなアカウントを、個人レベルで見かけたことがあるかもしれません。

これだといわゆる「幽霊アカウント」としアクティブな印象を受けません。

逆にコンテンツ発信を継続していくことで、ブランド認知が高まりだすと、エンゲージメントの創出が次の課題になってきます。こうなると、ただコンテンツを配信するだけでなく、綿密なコンテンツ戦略、計測やコメンティングが必要になります。自社がどのフェーズにいて、どういった目的を達成したいのかを言語化することが大切です。

(2)ソーシャルチャネルの選定基準

ソーシャルメディアプラットフォーム(ソーシャルチャネル)の選定基準から始めなければいけない場合、それぞれのプラットフォームの活用方法はどのように異なるか、またブランドによって最初から利用しないプラットフォームはあるのかも考えましょう。

世界各国、利用できるソーシャルチャネルは主に

Instagram

・TikTok

Pinterest

・Snapchat

YouTube

・Facebook

LinkedIn

Googleビジネスプロフィール(旧: Googleマイビジネス )

WhatsApp

LINE

とありますが、

例えばインドではTikTokは国単位の規制により使えないので、PinterestやSnapchat、YouTubeでコンテンツ発信するなど、ターゲット国で使えるチャネル幅があることもとめておきましょう。

ターゲットオーディエンスによって使用するプラットフォームは異なります。

適切なプラットフォームを選定するたために、ペルソナグループの設定およびカスタマージャーニーマップ、カスタマーインタビューを実施し、ターゲットオーディエンスのデジタルタッチポイントを見極めます。

競合他社のプロダクトを宣伝するコンテンツがどこでリーチを集めているのか?をリサーチするためにも、競合リサーチが必要になります。

競合他社がいるプラットフォームに上陸することは、最も最初のうちはやるべきと言って良いでしょう。競合他社のオーディエンスに向けて、あなたの会社の商品という名の

現地のソーシャルメディア状況やトレンドを把握するためのリサーチ

海外進出を検討する日本企業が、現地のソーシャルメディア状況やトレンドを把握するためには、代理店に依頼することもできますが、自社でもリサーチは徹底すべきでしょう。

競合のリサーチは必須といえど、何をもたらすのでしょうか?

・業界標準を理解することで、成功すれば基準を上回ることができる

・未開拓のニッチ市場を発見することができる

・商品・サービスの差別化のキーポイントを発掘できる

・競合他社よりも優れた方法で顧客の欲求を満たし、問題を解決する

・成長度合いを測定する

まずは自分たちのビジネスの価値観、サービスや製品としての目標、ブランディングを言語化することから始めましょう。この時点でおおよそ「自社と同じ程度にいるブランド」を発見することができます。

商品名やカテゴリーをGoogleやInstagramで検索すると、どんなブランドや会社がヒットするでしょうか。Instagram以外でもソーシャルメディアのチャンネルで、関連するハッシュタグやキーワードを検索すると、どんなものが出てきますか?

例えば、インドでオーガニックな緑茶をブランド化して売りたいと思います。

India Organic Green Teaと検索すると、

・いわゆる日本人が考える緑茶のティーバッグ形式のお茶

・グリーン茶葉のDtoCブランド

・インドのオーガニックブランドがパッケージングする様々な種類のハーブティー

・Machaブランド

が主にインターネット上、ソーシャル上で発掘できます。

この時点で商品のフレーミング、つまり「私が売りたいグリーンティー」の定義は、インドでは最もどれに近いか、どのように表現されているか?を明確にします。

自分の売りたい商品の説明方法がピタリと合致するキーワードで検索を続けます。

集めた情報をもとに、自社の製品に最も似ているブランドを最大10社までリストアップし、ターゲット顧客に比較可能な代替品を提示します。潜在的な直接の競合他社(同様の製品を同様の顧客に販売している企業)と間接的な競合他社(異なる製品を同様の顧客に販売している企業)を特定します。

できればソーシャルメディアのアカウントが良いでしょう。


一番簡単にトレンド理解が深まる方法は、競合のアカウントをフォローしある一定期間観察することです。一方で、どんなに検索してもいまいちローカルのブランド知見がないため、競合がわからないという場合は、製品・サービスの形態、プライシング、販売方法(オンラインのみで攻めるのか、それともまずは両方で攻めるのかなど)のプランを準備してから、パートナーに相談を持ちかけるのもありでしょう。

- ターゲットや国独自の文化を尊重したコンテンツ制作

ソーシャルメディアマーケティングにおいて、日本企業が海外市場での地域や文化の違いをどのように考慮してコンテンツを作成すべきかは最重要事項として考えましょう。

特にクリエイティブ制作の前に、現地ローカルパートナーにチェック作業を入れてもらうか、競合のアカウントをみて、ご自身が考えていたものが一切掲載されていない場合なんらかの理由があります。

インドのような宗教に紐付いた文化形成が色濃くある国においては、日本人では気づかないようなタブーも存在します。宗教上で尊敬されている神様や、国や組織、家族において尊敬されるべき立場の人を軽視するようなクリエイティブでないかは、インド人ローカルの目線での確認を推奨します。

タブーを覆すコンテンツ(Mythbusters)で、ソーシャルメディアでイニシアティブを獲得するアカウントも複数存在しますが、必ずローカルによるレビューを入れましょう。

「常識の先を行く」には相当に作り込まれた計算が必要ですし、一部のオーディエンスにしか受け入れられない前提でいるべきでしょう。

直近の例でいうと、「日本の3大牛丼チェーン」であるすき家ですが、ヒンドゥー教徒が多く牛肉が禁忌であるインドにてとあるインスタグラムの投稿を公開した際に、お肉の種類が牛肉であると誤解を招く(実際は鶏肉)表現がありました。

また、日本企業が海外市場でソーシャルメディアを活用する際、どのような法規制や制約に注意すべきかも述べなければいけません。

例えばインドでは、アルコールや特定の医薬品、タバコなどの広告制限が存在します。法規制がめまぐるしく変化する国であり、また最新情報の入手が日本のように明確で容易でないため、常にモニタリングする必要があります。また、ソーシャルメディアチャネルによっては、インドでは使用ができない機能なども存在するため、事前のリサーチや攻略法に対するナレッジが求められます。

- 海外市場でのソーシャルメディア広告運用

もしオーガニックなソーシャルではなく、広告費に予算がある場合は海外市場でのソーシャルメディア広告運用(特にFacebook、Instagram、LinkedIn)において、日本企業が特に注意すべき点についても切り込んでいきましょう。

日本企業が特に注意すべき点は、何と言ってもターゲットオーディエンスの理解でしょう。クリエイティブにおいては心理的欲求の理解がないと刺さる広告になり得えません。

例えばインドでは、日本国内の広告のターゲティングと異なる部分としてはデモグラフィックの変数が幅広がずいぶん違います。わかりやすい例でいうと、年収の格差が広いことです。またエリアにおいても都市部、田舎部といったシンプルなセグメンテーションではなく、東西南北で文化の傾向が大きく異なるため、その前提を持った上でターゲッティングの仮説検証を実施しなければ、ターゲットオーディエンスとのマッチングが難しいです。

(1)国ごとに違う広告費

日本とターゲット国(この場合はインド)では広告費は異なります。インドでは広告費はソーシャルメディアによって差はあるものの、インドの広告費は日本と比較してリーズナブルです。

なので逆を言えば、インドでYouTuberとして収益化しようとしても、単価が安く日本のように圧倒的に稼げる、というわけではないのも頷けます。

引用: 2022年広告市場トレンド in インド

日本企業は広告に予算を最初からかけるべきか?

インドは広告費が安価であるとはいえ、ターゲットボリュームは単純に考えても10倍の国です。ターゲティングができた後、ターゲティングボリュームがどの程度か見極めて広告費の検討は必要です。

まだまだ、多くの日本企業はブランド認知度が低いため、ある程度の期間、広告によって露出を高め、認知度を獲得することは購買につなげるために必要なプロセスです。

(2)オーディエンスターゲティングのコツ

前述していますが、オーディエンスのペルソナ設計を思い出しましょう。

「20代の女性」のような単純なものではないはずです。

オーディエンスのターゲティングにはターゲティン国独自のセグメントもあるでしょう。

・経済圏におけるセグメント

・ライフスタイル親和性におけるセグメント

・商品カテゴリーごとの消費者行動

引用: https://bbamantra.com/segmentation-of-market/

例えばインドのように、経済圏の幅が広い場合、

1.Established Elite - 確立された伝統的なエリート

2.Affluent New Wealth - 新たな富裕層 (成金と呼ばれる人たち)

3.Aspiring Middle Class - 野心的な中流階級

4.Conservative Middle Class - 保守的な中流階級

5.Successful Runner Up's - 成功した次点の人々

6.Upcoming Climbers - これからの成功が見込めるクライマー

7.Struggling Climbers - 苦労しているクライマー

8.Trialers - 新しい体験や選択肢に開放的な層の区切り

9.Dependants - 扶養家族、経済決定権がない層

10.Down the Road - 低所得の道ずれ層

11.Daily Survivors - 日雇い労働者

12. Under the Bridge - ホームレス

と分けられ、「新しい商品を受け入れてくれる最低のライン=良い商品やサービスによって自分の生活や人生をよりよくしようとする意思はある層」もほぼ明確と言えます。

引用: https://www.mmsind-mipi.com/

-インフルエンサーや地元の有力者とのコラボレーションを行うべきか?

あなたが「自分の庭ではないマーケット」に進出するのであれば、ターゲット国で話題になっているインフルエンサーやアンバサダーを起用することもぜひ選択肢に入れましょう。

もちろん、商品やサービスによっては、ローカルでの適切なインフルエンサーが存在しない OR オファーが出しにくい等の課題もあります。

<選定基準>

・インフルエンサーの特性がブランドアイデンティティと親和性があるか

・マーケティング目的(認知獲得/エンゲージメント創出等)を達成できるタイプ(フォロワーのサイズやエンゲージメントの高さ、ニッチ等)のインフルエンサーかどうか

インフルエンサーとして良質かどうか(一貫したコンテンツの質・トピック/エンゲージメントの高さ)

<戦略>

ターゲットオーディエンスによって、インフルエンサーから受け取りたいメッセージのタイプが異なります。例えば、Z世代はプッシュ型コンテンツよりもブル型、対話型コンテンツを好みます。

サービスや製品のUSPを伝えるだけでなく、ストーリーの中にのせ、ターゲットオーディエンスが自分ごと化できるようなコンテンツ戦略を提案するまでの計画が必要です。

-国と地域によって異なるユーザーエンゲージメントを高めるための施策や工夫

ブランドとしての認知度が上がってくると、次なる課題はエンゲージメントです。

ユーザーエンゲージメントを高めるための施策や工夫はどのようなものがあるでしょうか?

海外進出するのであれば、これだけは「絶対にやってください」と強く言える唯一のことが、ソーシャルメディア上のカスタマーケアです。

ソーシャルメディアにおいてコメンティングは、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを高めていく最良の手段だからです。

また、ソーシャルメディアでは、せっかくフォロワーを獲得したとしても、全てのフォロワーがあなたの投稿を見てくれるわけではありません。だからこそ、1人でも多くの初期時代の大切なユーザーとのエンゲージを必ずInstgaramやLinkedIn、Facebook上で取りましょう。

ユーザーが商品を購入前、また購入中、購入後もカスタマーケア部隊を作り、ユーザーの声に直接答える、「会話」を生成することに何よりも投資しましょう。

特に、あなたの商品やサービスに関してターゲット国においてネガティブなフィードバック、コメントはつきものです。このネガティブなコメントこそ、必ず返信しましょう。

一方で、ローカルの方のパーソナリティや文化特性を理解していない場合、ネガティブインプレッションを与えないかと心配され、どういったコメントをしていいか悩む場合は、こんな時こそ現地に特化したマーケティング代理店に外注しましょう。

その他には、対話型コンテンツ戦略制作、リアルな定期イベントとソーシャルメディアコンテンツの連携、インフルエンサーとの連携、ローカルイベントやターゲットオーディエンスの興味関心度の高いイベントに合わせたキャンペーンの実施などがあります。

インド-日本間のデジタルマーケティング企業のソーシャルメディア成功事例

世界数100カ国ある中で、あなたがターゲットとする国に強みを持つマーケティングエージェンシーを選ぶのであれば、国名や地域名で検索した時に最もマッチングし、かつその国だけの専門性を持ち、あなたがインスピレーションを受けたパートナーを選びましょう。

インド・グルガオンに本社を構える日本のマーケティング企業 Storytteling

単にターゲット国の「市場リサーチ」について詳しい、だけではなく、これまで述べてきたように、上部写真のように

・あなたの売りたい商品やサービスのストーリーテリングに共感してくれる

・狙いたいオーディエンスとファネル双方から見たアプローチを共に設計してくれる

・現地の顧客の声やコンテンツチェック、インタビューに協力的なメンバーを惜しみなく介入してくれる→ターゲット国の価値観とカルチャーの融合の実現

とマーケティング本来の意味を成せる、そしてその価値を理解していることが望ましいでしょう。

引用: Storytellingウェブサイト

実際にインドという現地に本社を置き、インド進出、インドでのプロモーションがしたい日本企業を支える、デジタルマーケティング企業Storytellingが行なったソーシャルメディアマーケティングの事例を紹介します。

①toB企業 - LinkedIn


海外ではソートリーダーシップの発信が、B2Bにおけるソーシャルメディアマーケティングにおいて有用なコンテンツです。

Storytelling社のクライアントであるA企業は広告ではなくオーガニックでアカウントを成長させることがあくまで前提だったため、企業アカウントを更にブーストさせるために、CXOアカウント(エクゼクティブ)の運用サービスもサポートすることにより、フォロワー数が成長しました。

コアメンバーの顔を表に出し、ネットワーキングだけではなく会社の顔とするためのブランディングも、自分では右も左も不安な方はマーケティング会社にアドバイスをもらってみましょう。

①toB企業 - Instagram

Storytelling社は日本食の認知度を高めたいという企業キャンペーンもサポートしています。認知度を高めるだけであれば、自社アカウント運用+広告という正攻法がありますが、海外の食や食文化を実際にローカルユーザーに体験してもらい、リアルな体験の様子をInstagramコンテンツを通して発信していくことで、ローカルの方に受け入れやすい形で提供できるインフルエンサーマーケティングを提案しています。

20人近くの日本食や食文化に親和性のあるインフルエンサーをアサインし、食体験や日本文化について各インフルエンサーがコンテンツを配信することで、1ヶ月で500万インプレッションを獲得した実績も。ターゲットエリアとしたインドの都市部では、日本食ブームが到来しています。

また、キャンペーンと親和性の高いインフルエンサーを厳選してアサインしたことで、数人とは中長期的な関係性が構築でき、アンバサダーのように日本食にかかるイベントなどはオーガニックで投稿してくれるなどインパクトがどんどん創出され続けています。

このようにインフルエンサーとの関係を維持しながら、一つの事象に対してのモチベーションを上げていくことで、キャンペーン限りではない継続的なカルチャーの創出につながることもわかりますね。

最後になりますが、商品の持ち主であるブランド側が、いかに「言葉にしてストーリーラインを伝えられるか」が最終的に要になります。

それさえできれば、仮にマーケティングパートーナーを組むにしろ、自社でグローバルマーケティング部を立ち上げるにせよ、ターゲットオーディエンスを基盤にしたデザイン思考を築くことこそが成功の鍵です。

海外進出を目指す、それをソーシャルメディアマーケティングを通して行いたい方の参考になれば幸いです。

Statusbrewから、本ブログにて紹介中のマーケティング企業Storytelling社の紹介も可能ですので、お困りの際は右下ライブチャットまでお声掛けください。

Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディアモデレーション&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ岐阜県出身。少女漫画と文学作品、ワインとインドが好きです。

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