PR(広報)のためのソーシャルメディアマーケティング

2023年1月5日 6 min read

広報活動 vs. 広告 vs. マーケティングは何らかの形でお互いを保管し合うチームであることは間違いありません。

企業・ブランドがこれらを行うに当たってお互いの違いを知ることは最も重要です。何故ならば考え方、そしてこれらを行うためのツールが異なるからです。

  • 広告・マーケティング
  • 広報(PR: Public Relation)

1.広報 vs 広告 vsマーケティング、違いは?
2.知っているようで知らないソーシャルメディアとPR(広報)の違い
3.広報のソーシャルメディアでの役割
4.ソーシャルメディアはPRとどう差別化すべきか
5. PRにソーシャルメディアを組み込む実践的な方法

1.広報 vs 広告 vsマーケティング、違いは?

このもっともな違いは、広告・マーケティングは一方通行のメッセージだということです。また広告・マーケティングは最終目標がリード・ジェネレーション、つまりはセールス(売上)であるということです。ですので、広告キャンペーンやマーケティングは、「売上にどれだけ寄与したか」のリターンの計算がしやすいことも特徴です。

一方でPR(広報)のゴールは、関係性の構築とブランド構築です。

顧客との対話(Dialog)、エンゲージメント(Engagement)、フィードバック(Feedback)、ソートリーダーシップ(Thought Leadership)を可能にする双方向のコミュニケーションを実現にするのがPRです。

広報とはサービスの対価であって、広告のようにメディアスペースに料金を支払うものではありません。

広告では、逆にその「枠」に対してお金を払わなければなりません。ポータルサイト、新聞や雑誌、そしてソーシャルメディアのいたる部分で枠に対して料金が発生します。

PRコンサルやエージェンシーを採用する資金がないブランドこそソーシャルメディアを、との呼びかけ

2.知っているようで知らないソーシャルメディアとPR(広報)の違い

1:ソーシャルメディアユーザーはブランドにエンゲージしやすいこと

ソーシャルメディアにおけるブランドとの関わりは、消費者がその企業とのエンゲージの選択によってもたらされます。ソーシャルメディアユーザーがFacebook、Twitter、LinkedInなどで投稿を「いいね!」したりあなたの企業ページをフォローしたりするとき、その企業からの情報を今後も得たいという消費者からの意思表示となります。

2: コントロールが効くメディアであること

広報とソーシャルメディアのもう一つの大きな違いは、ソーシャルメディアでは発信するコンテンツを組織つまり広報部が完全にコントロールできることです。公開内容は意図するメッセージがきちんと伝わるように、内部のレビュープロセスを経ることができます。またInstagramやFacebookのような多くのプラットフォームでは、否定的なコメントや反応を隠したり削除したりできるため、企業組織について語られる内容をある程度コントロールすることができます。
広報活動は、メディアによる報道が中心であるため、最終的なメッセージをコントロールすることはあまりできません。プレスリリースやメディア・ステートメントは、重要なメッセージを伝えるために慎重に作成することができますが、最終的な記事の内容はコントロールすることができません。例えば、医療機関が新しい医療器具を発売する場合、ソーシャルメディアに投稿すれば、その機器や使用目的、利用価値を含むストーリーを動画などクリエイティブを含めた完全にコントロールすることができます。同時にプレスリリースを配信した場合、もちろん大前提としてポジティブな面を表に出すと思いますが、潜在的な副作用も紹介するかもしれません。ソーシャルメディアは、メッセージの全体をコントロールすることができ、広報は第三者の信頼性を高めることが大きな価値と言えましょう。

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3.広報のソーシャルメディアでの役割

ソーシャルメディアは、広報にとって日常的または業務上の組織的な更新に利用するのに最適なチャネルとなりました。

広報とソーシャルメディアの連携がこれまでになく必要です。

PRは一般的に、投資家、株主、ビジネスパートナーなど、影響力のある人物に焦点が当てられていましたが、ソーシャルメディアの登場により、これらの人物含む誰もがソーシャルメディア市場に存在し、それをPRに利用することができるようになっています。PRもソーシャルメディアも、企業や製品への信頼を築き、維持するために利用されるものである以上、両者が同期していなければなりません。

広報担当者は、プレスリリースやメディアリレーションなどの従来の方法よりも、ソーシャルメディアを利用した方が、より多くの人々に迅速かつ効果的にリーチすることができます。さらに、ソーシャルメディアは、情報共有のためのグローバルなプラットフォームを提供することで、広報担当者は必要に応じて特定のオーディエンスや地域をターゲットにすることができます。これは、ターゲットを絞った広告、フォロワーの獲得、インフルエンサーとのパートナーシップを活用することで実現できます。

ブランドはしばしば、PRキャンペーンを行う効果的な方法として、最新情報を広めるための強力なメディアとしてソーシャルメディアを利用します。Axis Bankはこの戦略を成功させています。

4.ソーシャルメディアはPRとどう差別化すべきか

ソーシャルメディア上でのコミュニケーションは、PRとは異なるものでなければなりません。ソーシャルメディアは、冒頭で述べた等にマーケティング要素が強いため、最終的に「セールス」に影響を与えることを目的とした会話型メッセージを発信しがちです。企業は、オーディエンスと関わる際に特定のトーンを使用し、一貫性を持たせなければなりません。
PRのオーディエンスはコンテンツとの関わり方が異なります。ソーシャルメディアでは、コンテンツは反応を引き出すために公開され、企業はそれを歓迎し、エンゲージメントを育み、維持することができます。
PR活動から投資対効果を判断するのは非常に難しいですが、ソーシャルメディアのマーケティング活動を数値化するための指標がいくつか存在するため、ソーシャルメディアの影響は測定可能です。

5. PRにソーシャルメディアを組み込む実践的な方法

(1) 広報向けメディアリストの管理をする
(2)競合他社を追跡する
(3)紐付くソーシャルメディアキャンペーンのROI計測をする
(4)インフルエンサーからのエンゲージメント/CRM管理
(5)危機管理-クライシスマネジメント-
(6)チャンネルの向き不向きを考慮する

Statusbrewではこちらの6つを掲げます。

(1)広報向けメディアリストの管理をする

PR担当者の方は、ジャーナリスト、出版社、メディアを整理するためにメディア・リストを作成しているかと思います。そんなメディアリストを包括的に管理する必要がありますが、PR担当者が適切な関係者にリーチしていることを確認するために、メディアリストにあるコネクションのLinkedIn、Twitter、Instagramのプロフィールをチェックするようにしましょう。そうすることで、広報担当者の売り込みに最適な相手であること、出版物を変えたり、細かな調整を行うべきでしょう。

(2)競合他社を追跡する

PR担当者は、競合他社のソーシャルメディア運用を監視することも大切です。競合他社のTwitter/Facebook/LinkedInなどのアカウントをフォローし、イベント、マーケティングキャンペーン、パートナーシップに関する最新の情報をぜひ参照にしましょう。編集者やインフルエンサーが競合のイベントやキャンペーンについて投稿している場合、専用のハッシュタグを追跡して、他に誰が参加しているかを確認します。

(3)イベントやキャンペーンのROIを追跡する

PR担当として、ゲストのソーシャルメディアを監視することで、PR会社は簡単にROIを追跡することができます。Twitterハッシュタグを使用することで、ソーシャルメンションと共有されたコンテンツの質の両方において、成功の測定基準を作成することができます。

PR担当者は、ソーシャルメディアのエンゲージメントが思ったよりも低いことに気づいたら、今後のイベントに向けて改善策を検討することができます。イベントのコンテンツのアイデアや関連するハッシュタグをゲストに提供することで、よりソーシャルメディアへの参加を促すことができます。

サインアップ数、コンバージョン率、そこから生まれた収益、インバウンド消費などの具体的なインサイトを測定することで、PR担当者は自分たちの努力がどのように報われているかを明確に把握することができます。これにより、リソースをどこに割り当てるか、今後どのように戦略を改善するかについて、十分な情報に基づいた意思決定を行うことができます。

(4)インフルエンサーとの関係性の管理

インフルエンサーや著名人は、どの業界でも特に消費者市場において、ソーシャルメディアを通じてより多くの人々にリーチしようとする広報担当者にとって、貴重なリソースとなり得ます。しかし、インフルエンサーとの関係構築には時間と労力がかかり、複数のインフルエンサーとの関係管理には時間がかかる場合があります。

そのため、PR担当者とソーシャルメディアマネージャーが協力してインフルエンサーを管理する方が良いでしょう。これまで、PR担当者はブロガーやメディアのインフルエンサーに対してはインスタグラムのインフルエンサーに焦点をあててきました。

(5)危機管理

炎上のような危機が発生すると、ソーシャルメディアはニュースだけでなく、業界内の噂、事実無根の嘘、有害な誹謗中傷などを素早く拡散されます。効果的な危機管理には、何をいつ発信すべきかなど、メッセージングを管理するための計画を立てることが必要です。

広報担当者はこのメッセージングを管理する責任を負うべきであり、外部のソーシャルメディアエージェンシーは、レピュテーションを保護し管理するために、気づいた問題を直ちに広報担当者に通知する必要があります。明確な計画を立て、ソーシャルメディア機関と緊密に連携することで、広報担当者は危機を効果的に切り抜け、クライアントや組織の評判を守ることができます。

(6)ソーシャルチャネル別PR攻略

各ソーシャルメディアのプラットフォームは、PR活動のために独自の方法で使用することができます。PRに適した主要なソーシャルメディアプラットフォームを案内します。

Facebook - 企業やブランドが非常に会話的である場合、このプラットフォームを利用することをお勧めします。グループ、メンション、寄付や誓約のためのCTAボタン、その他のFacebookのプロフェッショナルサービスやツールなど、Facebookの機能を活用して、PR活動を支援します。


Twitter - 140文字という制限があるため、発売開始のような新製品の発表や目立った活動、プロモーションについて素早いメッセージを送ったり、あらゆる種類の最新情報を提供するのに最適な方法です。ハッシュタグを使えば、人々にメッセージを届けるだけでなく、オーディエンスは検索する傾向にあるので有効的でしょう。


LinkedIn - これも著名な人物、特にインフルエンサーとつながり、業界の見識を得て、関連情報を流通させるのに最適な方法です。また、ブログとしても活用できる素晴らしいツールです。


Instagram - このプラットフォームは、オーディエンスとのエンゲージメントを深めるのに最適な方法です。ビジュアルは、価値ある活動を紹介したり、深刻な問題への認識を高めるのに優れています。さらに、Instagramはイベントのプロモーション(開催前、開催中、開催後)にも最適で、視聴者を惹きつけ、自分がイベントの一部であるかのように感じさせます。


ソーシャルメディアマーケティングとPRは、あらゆる種類の組織がソーシャルインパクトを促進するために利用することができます。企業の社会的責任や社会的影響を及ぼす情報公開が多い企業様は、発信前に十分なコラボレーションを行えるようなソーシャルメディア管理プラットフォームをお勧めします。

Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディア管理&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場の立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ、岐阜県出身。少女漫画と文学作品、インドが好きです。

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