こんにちは、Statusbrewです。
ソーシャルメディアマーケティングの効果測定を考えることって、マーケティング担当者といえど億劫な作業ではないでしょうか?
こんなこと、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートである私たちが申し上げるのもなんですが...
もちろんソーシャルメディアでは調べるべき指標、とるべきデータってたくさんあります。ただ!「そもそも日々自分がやっている仕事が会社(ブランド)にポジティブな影響を与えているかどうか」を実際に把握するとなると、少し込み入った洞察が必要です。
一体何のために自分の仕事を頑張れば良いのか?最も悩ましい目標設定手法を解決するためのフレームワーク、OKRをソーシャルメディアマーケティングに落とし込んで解説します!
ソーシャルメディアマーケティングに落とし込む前に前提知識をみっちり説明します。
1.まずはマーケティングOKRから始めよう
2.【重要】OKRの仕組みと設定の際の考え方
3.まずは体験!セールス、HR、様々なOKRを見てみよう
3-1.あなたが旅行予約サイトのオーナーだったらどんなOKRを考えますか?
4.ソーシャルメディアにおけるマーケティングOKR
5. エンゲージメント指標にこだわる
1.まずはOKRを知ろう
ソーシャルメディアだけに限らず、どのようなマーケティング手法を使うにせよ、企業は必ずマーケティング、セールスなどへの目標を掲げているかと思います。その中で最も成功を成し遂げているのは、各目標に対して測定可能な測定基準の概要を示している企業なのです。
OKR(のちに詳しく解説しますが、目標と測定可能かつ主要な結果)は、広い組織的な目標にリンクさせるための、シンプルですが非常に強力なフレームワークです。
このOKRというフレームワークは、かのIntel社のリーダーであるアンディ・グローブ氏が考案し、彼の弟子であるジョン・ドアー氏が唱えた目標設定手法です。
OはObjective(目標)、KRはkey Results(主要な結果)を表しています。OKRは、企業、チーム、そして個人が、より集中的に野心的な成果を推進するために設置利用することができます。
2.【重要】OKRの仕組みと設定の際の考え方
OKRは、会社組織やチームが一点に見るべき焦点であり、努力の方向性を示すための指針となるものです。
OKRという頭文字を取って、下記の2つのことを設置することからフレームワークは始動されます。
Objective(目的): 達成したいこと
Key Results(主要な結果):3~5つほどの目的を達成するための方法を羅列
効果的なOKRを作成するためには、この構成する要素がどのように機能するかを理解することが要となります。
Objective(目的)
目的とは、そのままの意味になりますが達成しようとするハイレベルな目標をさします。一般的には、会社としての価値観や使命と結びつけられ、その時々の最優先事項が何であるかに焦点を当て、指針を示すのに役立ちます。
目的はこ
大胆で背伸びしてもいい、意欲的な目標であること(成功が絶対であってはならない)
行動的で具体的であること
数は少なく、5個以下であること
具体的な例は以下の通り
1.グローバル規模で顧客数を増やす
2.定期的な収益を増やす
3.システム性能の向上
4.より包括的な企業文化の醸成
5.チーム間のコミュニケーション向上
Key Results(主要な結果)のあるべき姿
各目標には、3~5つの結果が必要です。これらがマイルストーンとベンチマークであり、明確で測定可能な結果をもって、どのように背伸びしたようにも見える目標に取り組むかを説明するものです。それぞれの重要な結果には、その実現に責任を持つ指定された所有者が必要です。
・目的の成功に不可欠であること
・積極的であるが、達成可能であること
・測定可能かつ期限付きであること-期限は、結果自体に記載するか、結果を確認する頻度(四半期ごとなど)に基づいて示唆することができます。
具体的な例は以下の通り
1.ECサイトのチェックアウトフローのコンバージョンを 40% UPさせる
2.今期、ネットワークイベントに3回参加する
3.週に1回、ブログ記事を公開する
4.第3四半期の全社会議で調査結果を発表する
5.マーケティングチーム用に5つのメールテンプレートを作成する
1-1.なぜOKRを取り入れた方がいいの?
何を隠そう、私たちStatusbrewもこのOKRというメソッドを全社をあげて取り入れています。
[目標]を[主要な結果]によって測定する、この方法により、目標をどのように立てるか考えることに多くの時間を費やすのではなく、今すぐに開始できます。
OKRは、何よりもチームを成長させます。
・何が最も重要なのかの社内共通認識をピタリと一致させる
・小さな優先順位を立てる
・目標を達成するための測定可能なマイルストーンの設定ができる
・進捗を確認し、シフトチェンジのタイミングを周知させられる
・自立性、オーナーシップ、アカウンタビリティを強化する
3.マーケティングのためだけじゃないOKR:セールス、HR、様々なOKRを見てみよう
マーケティングのためのメソッドに聞こえがちですが、OKRは会社のどの部門にも適用できます。
例えばこちら、実際に私たちがOKRとして新たに設定している段階のダッシュボードです。
赤字で囲ったところをご覧ください。
・会社組織としてのOKR(チーム作りに注力したもの)
・マーケティング部門としてのOKR
・セールス部門としてのOKR
・従業員個人のOKR
と様々なカテゴリーを設けています。
3-1.あなたが旅行予約サイトのオーナーだったらどんなOKRを考えますか?
イメージが湧きやすいようにエクササイズしてみましょう。
あなたがもし、旅行(ホテルや航空券)予約サイトのオーナーだったら何をOKRにしますか?
組織としてのトップダウンOKR
目標(Objective): 次世代のトップ旅行予約サイトなる!
- 結果(Key result): 予約率 35% から 50%に引き上げる
- 結果(Key result): ブランド認知度を50%あげる
- 結果(Key result): NPSスコア65以上を維持する
- 結果(Key result): グローバルオフィスと東京とドイツ2箇所に新たにオープンする
これがいわゆる企業のトップダウンのOKRとして位置づけられます。このトップダウンのOKRに対して、どんなゴール設計が必要か?を個人レベルまたは部門ごと、いわゆるボトムアップのOKRを考えていきます。
個人レベルのOKR
Objective: 50,000人の新規ソーシャルメディアフォロワーの獲得
KR: 2人のインフルエンサーとパートナーキャンペーンを行う
KR: 週3回以上のTwitter投稿
KR: 幹部リーダーに今期2回LinkedInでコンテンツを共有してもらう
この例(私が考えました)では、ソーシャルメディアのフォロワーを増やすことが、ブランドの知名度に関連する会社レベルのイニシアチブにプラスの影響を与えると個人が考えています。
HR(人事部)のOKRの一例
Objective 1: 新人オンボーディング (研修)プロセスの改善
Key Results:
1.入社時の課題を抽出するための面談を10回実施する
2.新人の合格率を85%から95%に向上させる
3.オンボーディングプロセスの満足度90%を達成する
4.メンターとバディになる方法をチームメンバーのために責任をもって説明するガイドを作成する
Objective(目的) 1: 新たに3人の有力メンバーを採用する
Key Results(主要な結果):
1.新しいチームメンバーを3名採用(開発者2名、マーケター1名)
2.10人のチームメンバーに採用時と入社時の経験についてインタビューし、改善プランを作成する
3.新しいポジションのためのオンボーディングプログラムとプレゼンテーションの作成
カスタマーサポートOKRの一例
Objective: 予約サイトの会員解約数を減らす
- KR: 企業顧客向けサポートプログラムの構築
- KR: 新機能やキャンペーン適用を誰もができるようなトレーニングデモ搭載
- KR: 解約理由のヒアリング
Objective: ヒンディー語と中国語の言語選択肢を増やす
- KR: 25個の一番重要なサポート記事を翻訳する
- KR: 電話サポートに各言語15名のネイティブスピーカーを採用する
- KR: 両言語をサポートする社内翻訳ツールの範囲
4.ソーシャルメディアにおけるマーケティングOKR
ソーシャルメディアは近年、多くの業界において「コンバージョン」に強く影響します。そのため目標として設定されるのはエンゲージメントの獲得やウェブサイト(Eコマースサイト)へのトラフィックの増加、ファンコミュニティの拡大そしてカスタマーエクスペリアンスの向上などを設定されることが多く、ソーシャルを通して得た「売上」にはそれほど注意が払われていません。
なぜなら、コンテンツマーケティングのように会社の利益に直結しそうな数値を取ることが一般的に難しいと言われているからです。
ただソーシャルメディアマーケティングでは一貫してエンゲージメントの採取を徹底すべきでしょう。
Objective:ドイツ国内でのソーシャルメディアプレゼンスを向上させる
KR1: InstagramとFacebookで新しいフォロワーを1000人増やす
KR2: コンテンツエディトリアルカレンダーを作成して週4回旅行アイディアを投稿する
KR3: ソーシャルメディアキャンペーンの再構築をする
KR4: 日々のシェア数を30から50に引き上げる
KR5: 日々のコメント数を140から300に引き上げる
KR6: リンクのCTRを3%から6%に向上
あなたのページをフォローする人が増えれば増えるほど、あなたのブランドの存在を意識してもらえるようになります。そして、認知度が高まれば、より多くの人があなたの製品をチェックすることになります。
そこで、あなたのブランドが(Instagramで)有名になるために、あなたのチームが従うべき関連OKRの例を紹介します。
Objective: コミュニティのエンゲージメントをあげる
KR1: フォロワーを10%増やす
KR2: エンゲージメントを15%増やす
KR3: ソーシャル経由のウェブサイトへのトラフィックを20%増やす
既存の、そして見込み顧客をソーシャル上で増やすには:
- 対応が必要なコメントやメッセージへは24時間以内に返答する
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)増加のためのコミュニティ・エンゲージメント戦略の策定と実行
- ポジティブなブランドイメージを維持するためのオンラインコミュニティの管理
5.エンゲージメント指標を追跡しよう
企業の目標を達成するためにソーシャルメディアがどのように活用されるべきかご紹介しました。
どのソーシャルメディアチャネルでも多くのフォロワーが大勢いるのはいいことですが、それだけではマーケティングの目標(OKR)を達成することはできません。
例えば先ほどの例の通り、旅行予約サイトを運営していて、10万人の見込み顧客=フォロワーがあなたの予約サイトに押し寄せてきたとしましょう。
もし、10人しか旅行パッケージ(ホテルや航空券)を見ず、最終的に1人しか予約しなかったら、もう答えはご存知でしょう。
あなたのソーシャルメディアのエンゲージメント率が低ければ、そういうことになります。
フォロワーを増やすのではなく、あらゆるソーシャルメディアであなたのブランドと交流する(いいね、コメント、シェア)質の高いフォロワーを獲得するよう努力すべきです。
エンゲージメントの高いユーザーが多いと、結果的にフォロワーのソーシャルメディアのフィードにあなたの投稿が表示される確率が高くなります。
ソーシャルメディアが影響を及ぼしているかを確認するための指標として、「会話(Conversation=コメントやメンション)」「拡散(シェア)」「称賛(=いいね)」「経済的価値」という見方があります。
エンゲージメントになり得る指標をあらゆる見方でデータ化し、あなたのOKRをトラッキングしましょう。
Statusbrewでソーシャルメディアアナリティクスを開始
マーケティングOKRは、チームが直接影響力を持つ実行可能で測定可能な結果に変える有効な手法です。
効果的なマーケティングOKRを開発するためには、目標が明確で、実行可能で、さらに期限付きであること、主要な結果が目標に因果関係があり、チームの行動によって明らかに影響を受けることを常に確認する必要があります。
ソーシャルメディアは特に実行可能なアクションを設定しやすいため、ぜひリサーチ&トライしてみましょう。
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