SNS上でオンラインコミュニティの管理者の皆さんは、コメント監視という言葉をご存じでしょうか?例えば、企業のツイートのコメント欄がスパムメッセージだらけだったら、オーディエンスはどう感じるでしょうか?質問をしたのに、返信が来なかったら?コメント監視は損害を避けるだけでなく、ブランドの価値を高め、ユーザーからの信頼を得るために重要となります。
この記事では、コメント監視とは何か、監視ツールを使った効果的な手法について解説します。コメント監視は大変な労力を要する作業ですが、明確なルールと効果的なツールの活用により、モデレーターは一貫した判断を行い、ストレスを軽減することが可能です。
Comment Moderation(コメント監視)とは?
コメント監視、またはコメントモデレーションとは、WebサイトまたはSNS上でのコメントを確認し、承認、反応、または削除するプロセスのことです。冒涜的な言葉、ヘイトスピーチ、スパムなど、有害または不適切なコンテンツの拡散を防ぐことや、炎上の防止や早期対応が出来ます。
コメント監視は時間と労力がかかる作業ですが、それをすることよってオンラインコミュニティを有害なコンテンツから守るだけでなく、重要なコメントを見逃さないことも可能となります。
コメント監視をするメリット
コメント監視は、オンラインコミュニティにおけるさまざまなメリットをもたらします。まず、有害なコンテンツや攻撃的なコメントを早期に発見し、迅速に対処することができます。これによって、ユーザー同士のトラブルや炎上を防ぐことができます。プラットフォームが、自由な意見交換や情報交換のための安全で尊重される空間であり続けるためにコメント監視は重要な役割を果たします。
さらに、コメント監視は企業やブランドにとっても重要です。重要なコメントやフィードバックを見逃さず、それに適切に対応することで、ユーザーエンゲージメントやコンバージョンの向上につなげることができます。
ネガティブなコメントだけじゃない!
コメント監視は、ネガティブなコメントや有害なコンテンツを見つけるためだけのものではありません。重要なコメントやフィードバックも見逃さずに把握することができます。たとえば、製品やサービスに関する好意的なコメントや、新しいアイデアや提案などが含まれる場合もあります。これらのコメントを見逃さないようにすることで、企業はより良い製品やサービスを提供し、顧客満足度を向上させることができます。
二つ具体例をご紹介します。
コンバージョンに繋がるコメントの例
お客さんからの問い合わせ(購入意思が明確)があった場合や、ブランドの親和性の高いインフルエンサーがコメントをくれた場合にそのコメントを見逃してしまうことはとてももったいないと思いませんか?チャンスを逃さないようにコメントを監視しましょう。
例えば、下の写真にみられるように、「いくらですか?」や、「支払いがうまくできません」といったコメントは購入に繋がる可能性が高く、優先的に対応する必要があります。

また、インフルエンサーからのコラボレーション提案も要チェックです!

アイデアや提案のコメントの例
ギョーザを焼くことに失敗してしまったという趣旨のコメントと共にこびりついて失敗してしまった冷凍ギョーザの写真をツイートしたユーザーに対し、研究・開発のために問題となったフライパンを送ってほしいとメーカーからメッセージが届き一時話題となりました。
さらにそれに留まらず、全国から古くなったフライパンを募集。最終的には1000個を超えるフライパンがメーカーに届きました。
1,000個以上のフライパンをお届けいただきました!これから1つのずつ開封して、研究所に送ります。
— 味の素冷凍食品【公式】 (@ff_ajinomoto) June 19, 2023
本日いただいている個別のお問い合わせについてはこちらが片付き次第、随時お返事させていただきます💦
ご協力ありがとうございます! pic.twitter.com/6m75pfjV4n
これに対しTwitterのユーザーからは「神対応」「誠実な対応にびっくり」「味の素の本気を見た」という反応が寄せられています。このようなコメントは、製品やサービスの改善や進化につながる貴重な情報です。コメント監視によって、ユーザーの要望やニーズを把握し、次の開発段階で反映させることができます。また、ブランドの評判を上げる事にも繋がります。
コメント監視の方法のタイプ
コメント監視には、主に有人監視と無人監視の2つの種類があります。有人監視では、人間のモデレーターがコメントを監視し、判断や対応を行います。一方、無人監視は、自動的にコメントを監視し、特定のルールに基づいて処理するシステムが利用されます。どちらの方法を選ぶかは、ニーズやリソースに合わせて検討する必要があります。
無人?有人?どっちがいいの?企業のソーシャルメディア監視体制の設計!
有人監視と無人監視にはそれぞれ利点と課題があります。
有人監視
有人監視はより柔軟で正確な判断が可能ですが、人的リソースや時間の制約がある場合があります。また、「手作業」「目視」ゆえに、費用が圧倒的に高いことがネックです。日本にはアルバイトを雇って24時間目視で監視するためのエージェントが沢山あります。
無人監視
無人モデレーションは効率的で費用対効果が高い一方、自動化されたシステムによって一部の判断ミスや誤検知が起こる可能性があります。
有人と無人の組み合わせ
企業のソーシャルメディア監視体制を設計する際には、この両方のアプローチを組み合わせることも有効です。
Statusbrewの監視ツールを使い、有人監視と無人監視を組み合わせることで、効率性と正確性を両立させることができます。監視ツールによって大量のコメントを無人で処理し、あらかじめ設定した基準に基づいて分類やアサインを行います。その後、人が最終的な判断や対応を行います。有人監視によるフィードバックや修正が無人監視のルールに反映されることで、システムの精度を向上させることができます。
Statusbrewのツールで出来ること
Statusbrewの監視ツールは、コメント監視を効率的に行うための機能が備わっています。Statusbrewの監視ツールは、ルールエンジンと呼ばれる機能があります。ルールエンジンは、コメントを特定の基準やルールに基づいて分類し、あらかじめ設定した対応自動でします。それをうまく活用することで、お客様の目的に合った、柔軟なコメント監視の体制を作り上げることが出来ます。以下に、主な機能とその使い方を紹介します。
活用例
- 「商品が届きません」のような実際の顧客からのコメントを察知して担当者にアサイン
- 同業他社のブランド名を勧めるような悪質コメントを特定して削除
- スパムコメントを隠す
- Tagを使ってチケットを管理
- DMやFacebookメッセンジャーに自動で返信
- 「PR」などインフルエンサーが見逃しがちな大事なクエリを特定の受信箱に入れてモバイルで通知を受け取る
- 分析やチケットの整理のために、特定のコメントはタグ付けする(商品の名前ごと)
- プレゼント企画で「@メンション」「キーワード」を含む投稿をした人のみタグをつけて分類する
Statusbrewのルールエンジン(自動化機能)
ルールエンジンは、主に1リソース、2条件、3アクションの要素で構成されています。
何を対象とし(リソース)、どの条件が当てはまった時に(条件)、どの特定のアクションを自動で起こすか?(アクション)を決めるものです。例えば、Instagramのコメント欄に(リソース)、不適切な言葉が書き込まれた時(条件)、そのコメントを非表示にする(アクション)、ということが可能です。
ルールエンジンの一覧とルールを設定する方法は、以下のようになります。
ルールエンジンの一覧
リソース
リソースは、大きく分けて2つあります。
- 自社のソーシャルメディアアカウント+会話の種類(InstagramのDMなのか、Facebookメッセンジャーなど)
- リスニングキーワード
条件
アクション
セット方法
- ホームページの”Rule Engine”からルールエンジン一覧に行く
- 右上のAdd new ruleをクリックする
- ルールに名前をつけ、リソース、条件、アクションをセットする



おすすめの5つの活用方法
スパムメッセージの自動削除(Facebook、Instagram、LinkedIn、YouTubeコメントのみ)
スパムメッセージの自動削除は、Statusbrewの監視ツールの主要な機能の一つです。コメント監視ツールは、スパムフィルターや機械学習アルゴリズムを活用して、スパムと判定されたメッセージを自動的に削除することができます。これによって、スパムメッセージの存在を迅速に検知し、オンラインコミュニティやウェブサイトの品質を維持することができます。
セット方法
<リソース>
Data Sources→監視したいSNSのプロフィール
<条件(Conditions)>
- Message Content
→不適切な言葉、スパムメッセージでよく使われる言葉や不適切な言葉をキーワードとして指定します
例)
<アクション>
- Add tags → Spam
- Hide commentと設定します。
このように設定することで、スパムや不適切なコメントが付いたときに、それを非表示にして、分類することが出来ます。
顧客からのコメントを分類して担当者にアサイン
たとえば、特定のキーワードやカテゴリに関連するコメントを自動的に検知し、それを担当するチームや個人に割り当てることができます。これによって、コメントの処理や返信の効率性が向上し、顧客サポートや問題解決の迅速な対応が可能になります。
セット方法
<リソース>
- Data Sources → 監視したいSNSのプロフィール
<条件(Conditions)>
- Message Content
→メッセージをキーワードで分類し、誰が担当するかを決めます。
例)
「商品が届きません」→発送担当者
「エラー」→技術部門
「対応が悪い」→カスタマーサービスなど
→コメントの感情でも分類することが出来ます
Negative → カスタマーサービス
→キーワードと併せて設定することも効果的
キーワード「対応が悪い」+ 感情「Negative」など
<アクション>
- Assign conversation
このようにすることで、例えばInstagramのDMで「商品が届きません」のようなメッセージが届いた場合、該当商品の「配送」に関わるチームに返信を依頼するための仕組みを作ることができます。
大事なクエリの通知を受け取る
Statusbrewの監視ツールは、重要なクエリや問い合わせがあった場合に、関連する担当者に通知する機能も提供しています。例えば、特定のキーワードや顧客の要望に関連するコメントが投稿された際に、自動的に担当者に通知されることで、重要なクエリへの迅速な対応が可能になります。これによって、顧客満足度の向上や重要なビジネスチャンスの逃さないための効果的なコミュニケーションが実現されます。
セット方法
<リソース>
- Data Sources→監視したいSNSのプロフィール
<条件(Conditions)>
- Message Content
→重要なメッセージに含まれるキーワードを登録します
例)
「返品」
「エラー」
「値段」「いくら」(想定される質問)など
<アクション>
- Notification Actions
- Add tags
このように設定することで、「返品したいです」のように、対応が必要なコメントの通知を受け取ることが出来ます。
または、「買うことを検討しているのですが、いくらですか」など、想定される質問に含まれるキーワードの通知をあらかじめ設定しておくことで、すぐに反応することができ、コンバージョンに繋がりやすくなります。
業界のトレンドを追う
Statusbrewの監視ツールは、業界のトレンドや話題に関連するコメントを自動的に収集し、分析する機能も提供しています。これによって、企業やブランドは最新のトピックや意見を把握し、市場の動向に対応することができます。業界のトレンドを追うことで、競合他社との差別化や新たなビジネスチャンスの発見につなげることができます。
セット方法
<リソース>
- Data Sources→ソーシャルリスニング、ブランドキーワード
- Sentiment → Negative
<条件(Conditions)>
- Post content →業界のキーワード
<アクション>
- Notification Actions
- Add tags
このように設定することによって、キーワードが投稿された際に通知を受け取り、自身の業界においてお客様がどのような問題を抱えているかを把握することができます。
また、Sentimentをポジティブにすれば、どのような商品が肯定的に反応されるのかを把握することも出来ます。

チケットにタグをつけてレコード管理
Statusbrewの監視ツールでは、チケット管理機能も提供されており、コメントや問い合わせをタグ付けして分類・管理することができます。タグを使ってレコードを整理することで、特定のトピックやテーマに関連するコメントを迅速に見つけることができます。これについてはまた別のブログで解説します。
まとめ
コメント監視は、有害なコンテンツからコミュニティを守るだけでなく、コンバージョンに繋がる重要なコメントを見逃さないためにも不可欠です。ここで紹介した活用例はほんの一部で、組み合わせ次第であなたにぴったりの自動化フローを柔軟に作り上げることができます。
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