企業のソーシャルメディア運営における「モデレーション」=監視とは?

2022年9月3日 6 min read

こんにちは、Statusbrewです。

私たちはソーシャルメディアマーケティングのエキスパートとして、日々マーケティング手法やマネジメントについて欠かせないことをお伝えしていますが、本日は企業やブランドにとって限りなく大切なことについてお話しさせていただきます。

ソーシャルメディアマーケティングは、既存顧客だけではなく、新しいユーザーを引き付け、ブランドの認知度を高めたり、エンゲージメントをより多く獲得することを主な目的としていますが、その分他のマーケティング手法よりも、オーディエンスが自分の意見、顧客体験、フィードバック、ブランドへの感情などを簡単に、そして自由に共有できてしまうことが特徴的です。

数多くあるマーケティング戦略におけるソーシャルメディアの立ち位置と、マーケティングの種類とその指標に基づいたポジショニングをマップ化しました!

数あるマーケティング手法の中でも、ブランドの認知、エンゲージメントの獲得という目標に非常に便利なソーシャルメディアマーケティング。

特にUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出しやすいこと、バイラル化しやすいこと、が特徴なことから、エンゲージメントの獲得という本来の目標達成の利点にとどまらず、これらのチャネルは現在、不適切、悪質コンテンツ(=メッセージ)の発信地になっています。

そこで企業は、ソーシャルメディア監視という手法を採用し、ブランドの評判にとって害悪になるメッセージやコンテンツを、有人・無人様々な方法でフィルタリングしています。

1. ソーシャルメディアにある問題とは?
2. ソーシャルメディアにおける3種類のリスク
3. ソーシャルメディアにおけるリスクと監視のバランス具合
3. ソーシャルメディアでモデレーションが発生する場
4. スクロールして「パトロールする」だけじゃないのがエンゲージメント管理
5. 明確なモデレート(監視)ルールとフローを作ろう
6. ソーシャルメディアコンテンツモデレーターのすべきこと
7. チーム体制の受信箱を作って1つのダッシュボードですべてのコメントを追跡しよう

1.ソーシャルメディアにある問題とは

みなさん、「モデレーション」「モデレーター」と言う言葉は聞いたことはありますか?

ソーシャルメディア上の書き込みをモニタリングする投稿監視業務は、英語圏でコンテンツもしくはコメントモデレーション(contents/comment moderation)」と表現されます。「モデレーション」とは、節度、適度などの意味を持つ単語であり、寄せられるコメントが適切な状態であることを維持するということです。

今日のソーシャルメディアコミュニティでは、さまざまな種類のコンテンツが拡散しています。ソーシャルメディアはその拡散性の高さ、スピード感から生身の人間が追いつけないほどです。

Looking up the Avenues
Photo by Bryan G. / Unsplash

画像、動画、テキスト、これらのコンテンツがどのような形で拡散されるか、それぞれのコンテンツがもたらす効果や影響について、人々は十分に理解しているでしょうか。

一個人や企業は、自分のアカウントやブランドと結びついて発信されるコンテンツについて考え直さなければなりません。

ソーシャルメディアの進化は、驚くほど幅を利かせています。エンターテインメント、ニュース、ビジネスの宣伝など、さまざまなコンテンツが利用・投稿、そして拡散され、ソーシャルメディアネットワークでの情報の広がりは、オンラインコミュニティで行われる活動全体に大きな影響を与え、貢献しています。

本当の問題は、異なるソーシャルメディアプラットフォームのユーザーが、複数のオーディエンスに影響を与える可能性のある不適切、容認できない、危険なコンテンツを使用したときに生じます。

ソーシャルメディアの圧倒的な媒体の特徴は、「ユーザー生成コンテンツ」です。

こちらはインド最大の食品デリバリーサービスのZomatoのFacebookページです。

Zomatoへのコメント

サービスへの不満を不買を促すコメントがユーザーより書かれていますね。

ユーザーがキュレーションしたり、再生成することによって様々な形に変容して、またソーシャルメディアの海の中に投げ出されます。

またコメントの一つが企業のブランド価値に関わることは一目瞭然でしょう。

2. ソーシャルメディアにおける3種類のリスク

  • 法的リスク
  • ユーザー自身のリスク
  • 評価のリスク > これが本日の本題です

と、3つの大きなリスクが常に隠されています。よく聞く言葉で言うと「炎上した」になりますが、炎上という言葉ではカバーしきれないものが、様々な立場の人間に取って多いのです。

企業の評判に関わるリスク
・名誉毀損
・サービスや企業体制への批判
・従業員の特定やハラスメント
・機密の漏洩
・不適切な発言
・競合他者からの工作的なコメント
・フェイクコメント

これらを防ぎたい理由は本来たったひとつのはずです。それは、企業が意図しているメッセージが、意図のまま世間に伝わっているかどうかでしょう。

3.ソーシャルメディアにおけるリスクと監視のバランス

ソーシャルメディアにおいて「監視=モデレートする」とは、あくまで過度でも軽微でもない範囲にとどまることです。逆にいえば、「監視」にとどまる範囲であるように対応する必要があります。

こちらのリスク・メトリクス分析シートをご覧ください。ソーシャルメディアで起こりやすいリスクを発生確率と深刻度に基づいて分析することができます。

マッピングの中で、いわゆる「軽微」〜「モデレート」の中に、かつ発生率が高いものの中にこそ、「ソーシャルメディア上の企業への批判コメント、クレーム」がトップに入ります。

ソーシャルメディアにおける「苦情、悪質コメント、そして炎上」は発生率が高いだけに、日々の監視体制は欠かせません。

ソーシャルメディアにおいて、ブランドの価値を下げないためにも、そして顧客との関係性を維持していくためにも、ソーシャルメディア監視をする企業チームの仕事は実は山ほどあるのです。

4. ソーシャルメディアでモデレーションが発生する場

YouTubeやTwitter、Facebookでユーザーがあなたのコンテンツと対話できる唯一の方法の1つは、コメントによってです。したがって、コメント欄は、あらゆるビジネスチャンネルにとって最も価値のある不動産と言えます。

YouTubeで動画コンテンツマーケティングやTwitterやFacebookで新商品などのプロモーション戦略を行う場合、コメントモデレーションは必須です。広告を掲載し、コンテンツにトラフィックを誘導しても、コメント欄が悪評や管理されていないスパムで埋め尽くされていたら意味がないですよね。

モデレーションの対象はこの通りです。

・ロイヤリティの高い視聴者からのコメントの評価
・お客様の疑問や質問に回答する
・ユーザーとエンゲージして、顧客を知る
・スパム、不適切、嫌がらせコメントの削除
・ブランドに関する誤った情報や噂の抑制
コメント欄への対応は常にオススメしています。

5. スクロールして「パトロールする」だけじゃないのがエンゲージメント管理

「コメントの監視」というと、単に24時間365日、画面に張り付いてスクロールして、スパムがあったら報告、だけが仕事ではありません。

・オーディエンスとの会話
・潜在顧客、既存顧客との関係構築
・一貫したブランドコミュニケーションの構築
・ブランドへのリーチとウェブサイトへのトラフィックの増加
・ユーザー生成コンテンツの作成を顧客に促す
・不適切なコンテンツや顧客からの怒りのクレームに迅速に対応し、ブランドの評判を守る

これがソーシャルメディアカスタマーサービスと全体的なカスタマーエクスペリエンスにおいて重要な役割を果たします。

6. 明確なモデレート(監視)ルールとフローを作ろう

ソーシャルメディアのプロフィール、ページ、コミュニティには、守られなければならないルールがあります。
ソーシャルメディアのモデレーターとして、制限を暗示し、コミュニティ内の良好で健全なエンゲージを促進する必要があります。

・暴言や冒涜を避ける
・戦争や差別、暴力など非常にデリケートな問題を引き起こす可能性のある議論や投稿は避ける
・コミュニティ内での健全な交流と参加を促進する。そうでない場合は、コメント等削除し、該当ユーザーをブロックする。
・不適切な内容や罵倒するような内容は自動的に削除または非表示する。

このようなコメント、評価が発生した際に、上記の対応を、

・いつのタイミング発生したコメントを
・誰が
・どこまで
・いつまでに
・どのように
対応しますか?

このワークフローを決めてしまいましょう。

・初期設計(監視体制の判断)
・運用フローの作成
・24時間365日体制で監視開始
・レポートの作成と共有

の流れをフローとして落とし込む必要があります。

7. ソーシャルメディアコンテンツモデレーターのすべきこと

・顧客からのコメントに返信する
・DM(ダイレクトメッセージ)への返信
・不適切なコンテンツ、競合他社のリンク、罵詈雑言の削除・非表示化

インドのフードデリバリーサービス会社Zomatoのカスタマーサポート


・カスタマーサービス、製品チーム、法務チーム、営業チームなど、自分では答えられない質問に答えられる人にアサインする
>即座に反応する必要がある場合(ソーシャルメディア上のブランドの評判に関わる場合)、チームに知らせます。

8. 1つのダッシュボードですべてのコメントを追跡し、返信する

ソーシャルメディアのモデレーターは、通常、自分ひとりで仕事をするわけではないパターンが多いです。

たとえば商品の価格、詳細、使用条件、商品やサービスに問題があった場合など、様々なクエリが予想されます。そのため、他のチームに連絡を取ったり、その回答を待つ必要があります。

外部ツールなしでソーシャルメディアをモデレートすることは、特に複数のソーシャルネットワークで複数のブランドを担当している場合、コメントを見逃したり、返事が遅れたりと余計に苦情のリスクを伴います。

Statusbrewのようなソーシャルメディアコメントモデレーションツールは、このような事態を防ぐために、あるいはすでに起きてしまった事態を解決するために存在します。

Statusbrew使用すると、次のことができます。

  • Facebook、Instagram、YouTubeからのすべてのコメント、TwitterのメンションやDM、Facebookメッセージ、InstagramのDM、Google My BusinessレビューやYouTubeのコメントまでを1つの場所にまとめておくことができます。
  • それぞれのソーシャルチャネルに個別にアクセスすることなく、同じダッシュボードから返信しましょう。
  • いつでもコメントを一旦非表示にしたり、削除したりできます。
    また、FacebookやInstagramの広告の下に表示されるすべてのコメントを確認することができます。

作業の優先順位をつけ、最初に対処すべき緊急事態があるかどうかを確認し、荒らしコメントやスパムを排除、すべての質問とメッセージに返信することが容易になります。

Statusbrewはカスタマーサービス、セールス、マーケティング、法務など、組織内のさまざまなチームをつなぐハブのようなものです。

ソーシャルネットワークのモデリングにかかる時間をさらに短縮するには、エンゲージ機能の一つであるルール・エンジンを使います。

炎上対策 | ルールエンジンを使ってエンゲージメント管理体制を構築する方法
Statusbrewのルールエンジンを使えば、ソーシャル上のカスタマーサービスを簡単に自動化することができます。指定した条件に基づいてエンゲージメントを整理整頓することができ、ブランドの評判を落とすことを防ぎ、スパムや荒らし、炎上に備えることもできます。また、炎上対策だけではなく、マーケティングや営業ツールとしてソーシャルメディアを使っている際に、いち早く営業や接客のためにユーザーを見つけ出すことができます。

コメントやメッセージを適切に担当部署にアサインする

メッセージのスレッドを適切なチームメンバーに委任したり、共有ノートで対応について社内でやりとりもできます。

Statusbrewのような自動モデレーションを使用すると、次のことが可能になります。

適切な種類のメッセージを、即座に担当者・担当部署にアサインして、そのチームによる解決を促します。

また、冒涜的な言葉やスパムなど、不適切なコンテンツをモデレートします。自動モデレーションのルールを設定し、特定の単語やフレーズを含むコメントを自動的に非表示または削除したり、スポンサーコンテンツの下にあるリンクを含むすべてのコメントを削除することができます。

Statusbrewのルールエンジンで、What、If、Thenに当たるトリガーを構築することにより可能にするものです。

チケットにタグをつけてインバウンド・エンゲージメントの質と量を分析

コンテンツの内容とタイプに基づいて、Statusbrew専用のタグを1つのコメント単位につき自動でアプライすると、Statusbrewの高機能アナリティクスで簡単にエンゲージメント・レポートを作成することができます。

このデータは、一つ一つが完全カスタマイズ性のウィジェットを寄せ集めたものです。

・どの種類の受信メッセージが多いか
・最もクレームを受け取る時間帯と対象商品は何か
・センチメント別の受信メッセージ件数
・クエリの解決件数と解決までにかかった時間

など、エンゲージメント分析はStatusbrewにお任せください。

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Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディアモデレーション&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ岐阜県出身。少女漫画と文学作品、ワインとインドが好きです。

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