ソーシャルメディア(SNS)コメントの返信時間を考える

2023年6月6日 15 min read


こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。

これまで皆さんは、ソーシャルメディア上で質問したのに返事が遅い!!対応が遅い!と返信時間や企業からのソーシャルメディア上での対応に不満を抱いた経験はありませんか。

Twitterで’’対応遅い’’をキーワードに検索すると、沢山の対応が遅いと顧客に見なされた例が出てきます。どのくらいの時間が経過すると、対応が遅いと見なされるのでしょうか。


あなたは、ソーシャルメディア上で企業にコメントや質問を送信した場合、どのくらいの時間返信まで待つ事ができますか。

ソーシャルメディアはリアルタイムのコミュニケーションが可能です。実際のところ、企業からの返信時間は実際どのくらいなのでしょうか。

この記事では、’’ソーシャルメディア上でのコメント返事時間’’に着目し、まず返信時間の重要性について考えた後、顧客が期待するソーシャルメディアへの返信時間、返信時間の最適化方法及びコメント返信に関わる分析指標紹介、顧客とのコミュニケーション強化のための追加戦略まで記します。

目次

1.ソーシャルメディア上での返信時間の重要性

2.顧客が期待するソーシャルメディアへの返信時間

3.返信時間の最適化方法

3-1即返信を必要とする状況理解を深める

3-2返信への負担を軽くするためツール導入について考える

4.例外的な状況への対応

5.顧客とのコミュニケーション強化のための追加の戦略

6.顧客意見への適切な対応と長期的な関係構築

7. ソーシャルメディアのコメント返信に関わる分析指標

1.ソーシャルメディア上での返信時間の重要性

ソーシャルメディア上での返信が遅れると、顧客からの信用を失ったり、怒らせてしまったり、返信しなければいけないコメントが溜まりどれから手をつければ良いかわからず仕事の効率性も落ちてしまうと言ったような事が起きてしまいます。

逆にソーシャルメディア上で迅速に返事を行うと以下のような効果が期待できます。

(1).顧客満足度の向上: 返信時間が遅いと、顧客は不満や不快感を抱いてしまう確率が高くなります。迅速な返信は顧客の問題解決や疑問の解消に役立ち、顧客満足度を向上させることができます。また、素早い対応を受けることで、企業への信頼やロイヤリティも高まります。

(2).企業イメージ向上: ソーシャルメディア上では、ネガティブなコメントや苦情が拡散される可能性があります。迅速な対応によって、悪影響を最小限に抑え、適切に管理することができます。謝罪が遅れると、瞬く間に拡散され企業の評判やブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。逆に迅速に適切な対応を行うと、企業イメージの向上にも繋がります。

(3).競争力の強化: 迅速な返信時間は、競合他社との競争力の向上に繋がります。顧客が他社よりも迅速かつ効果的な良い顧客体験を経験すると、ブランドイメージ、満足度の向上に繋がり、顧客の選択肢の中で優位に立つことができるようになります。

総じて、ソーシャルメディア上での返信時間は顧客満足度、ブランドイメージ、競争力などに直接影響を与える重要な要素である事がわかります。

2.顧客が期待するソーシャルメディアへの返信時間

皆さん、お客様が期待しているソーシャルメディア上での返信時間を考えたことはありますか。Sproutがアメリカで行った調査によると、76%もの人が24時間以内での返信を期待しています。

CONVINCE&COMVERTは、実際に63%の割合で24時間以内に企業は返信している一方、32%のみがその返信時間に対して満足しているという事実を示しました。

つまり、実際は24時間以内であれば大丈夫だと考えていては、不十分である事がわかります。

状況によって異なってきますが、場合によっては遅すぎることもあります。

39%もの顧客が60分以内でのソーシャルメディア上での返信を期待しているというデータもあります。(CONVINCE&COMVERT)

しかし、企業からの平均コメント返事時間は5時間となっています。

3.返信時間の最適化方法

それでは、返信時間を最適化するにはどのようなことを行えば良いのでしょうか。このパートでは、

3-1即返信を必要とする状況理解を深める

3-2返信への負担を軽くするためツール導入について考える

の2パートに分け、記していきたいと思います。

3-1即返信を必要とする状況理解を深める

24時間以内であっても返事が遅すぎると感じる状況は以下の通りです。

できる限り、瞬時な対応が求められます。

(1).問題やクレームがある場合: ソーシャルメディア上で商品やサービスに関する問題やクレームを投稿した顧客は、早急な対応を期待しています。そのような場合は、迅速かつ適切な対応を行い、問題解決に取り組むことが求められます。対応が遅れるとさらに不満を溜めさせてしまいます。

(2).質問や疑問がある場合: 顧客が製品やサービスに関する質問や疑問をソーシャルメディア上で投稿した場合、迅速な回答を求めています。顧客はスムーズな情報提供や解決策を望んでおり、返信が遅れると不満を抱く可能性があります。

(3).イベントやプロモーションに関する情報が必要な場合: ソーシャルメディア上で企業がイベントやプロモーションの情報を発信している場合、顧客は迅速な回答を求めることがあります。参加方法や特典の詳細など、投稿しなかった不足部分の内容に関し、早急な情報提供が求められます。

(4).リアルタイムな相談や助言を求める場合: 顧客がソーシャルメディア上でリアルタイムな相談や助言を求めている場合、素早い返信が期待されます。特にサービス業や専門知識を必要とする分野では、迅速な対応が顧客満足度に直結することがあります。

これらの状況では、顧客が迅速な対応を求め、返信時間をできるだけ早くすることが重要な要素となります。

3-2返信への負担を軽くするためツール導入について考える

3-1でより素早い対応が求められる条件を理解しても、企業の人員も限られており、特にFacebook、Instagram、Googleビジネスプロフィールなど複数のソーシャルメディアを運用している際、コメント対応に追いついていない、把握しきれていない状況にある企業も多いかと思います。

3-2では、Statusbrewというソーシャルメディアマーケティングツールのエンゲージ機能、特にソーシャルメディアのチケット管理を紹介し、返信への負担を軽くする、自動化する方法について紹介します。

まず、チケットとは、顧客の問い合わせ、問題を文書化し追跡するために作成される記録またはケースファイルを指します。顧客が様々なコミュニケーションチャネル(メール、電話、ライブチャット、ソーシャルメディアなど)を通じてサポートを求めたり苦情を申し立てるたびに、新しいチケットが生成されます。このチケットには通常、お客様の連絡先、問題の内容、以前のやり取りや関連チケットなどの関連情報が含まれます。

チケットは「自分以外の誰もが同じタイミングで状況を追跡できる状態にあること」が絶対的な定義です。

具体的に、チケットの単位はどのようなものがあるかを述べると、Facebookのコメント、Twitterのメンション、Twitterのコメント付きリツイート、InstagramのDMというように、各ソーシャルメディアごと、また各ソーシャルメディアのそれぞれの顧客と企業が双方間でメッセージを伝えられる機能ごとがチケットとなります。

Statusbrewを用いると、以下の写真のように1つのプラットフォーム内で、全てのチケットをチケット単位で管理する事ができます。

1つのプラットフォームで管理されたチケットは、複数人で対応する事ができます。

また、1.事前にケースを入力可能、2.自動的に専門的な担当者に対応を割り当てor優先度順に表示、3.データが蓄積され、分析にも使用可能

というような事ができます。これによって、カスタマーサポートの中でも、専門的な質問に対する質問や、上司が対応する必要のあるコメントに対しても、適切に担当者へ送る事ができ、また、特に素早い対応が求められるコメントに対しても対応する事ができるようになります。

条件を追加することによって適切な担当者に割り当てられます

Statusbrrewでは、優先順位のカテゴライズを自動化できます

また、割り当てられた場合のみでなく、自身でチケット(タイプ)、言語、キーワードなど10種類以上のフィルターから自身に当てはまるものを選択し、自身が対応する専用受信トレイを作成し、顧客へのコメント対応を行うこともできます。

まとめると、Statusbrewでチケット管理を開始すると、1つのプラットフォームでチケットを管理できる、SNS担当者皆が見られるソーシャル受信箱を使用する事ができるようになります。図に出来ることを整理すると以下のようになります。

​​

4.例外的な状況への対応

例外的な状況では、

(1).出来るだけ早い早急な返信

(2).適切な対応

の双方がより必要になります。緊急を有する例外的な状況への対応では、自身で対応しきれない場合すぐにその有無を送信した上、すぐに上司や企業責任者など適切な対応ができる人にエスカレートしましょう。メールの返信だけでは不十分で、これまでの顧客データから、電話などのより直接的な対応も必要になってきます。

以下は、レンタルスペースを貸出している企業が、企業の手違いでダブルブッキングしてしまい、使用できなくなった際の対応メールです。丁寧な言葉で記されていますが、内容としては何の補償もしない不適切な対応です。例外的な状況では、より早急な返信時間はもちろんのこと、適切な対応をできるよう、より慎重にかつ素早くできるよう徹底しなければいけません。

このような状況が起きた際に、適切に対応できるよう、普段から3-2で述べたようシステムを構築しておくことを強くお勧めします。

5.顧客とのコミュニケーション強化のための追加の戦略

ここでは、顧客とのソーシャルメディア上でのコミュニケーション強化に重点を当てて述べていきます。

まず、顧客とソーシャルメディア上でのコミュニケーションが希薄になってしまう要因には、

企業のソーシャルメディア対応人数が少なく、対応までに多くの時間を要してしまう・顧客からの直接的な声(問い合わせ・コメント)を受けるソーシャルメディアが複数あり、ごちゃごちゃになってしまっている・直接的な声を受ける量が多く、対応しきれていない・リプライに関する社内のルールがない(またはあったとしても適切なものではない)ことにより、対応できていないと言ったような事が挙げられます。

それらを解決し、顧客とのコミュニケーションを強化するには以下の側面からのアプローチがあります。

(1).顧客からの直接的な声が届く総数を抑える

(2)システムを構築する

(1).顧客からの直接的な声が届く総数を抑える-   まずこれまでのよくある質問など、企業が対応する際に同じ対応を何度もするケースは、あらかじめ回答をまとめ、そのよくある質問を見ると顧客自身が自分で問題を解決できるようにします。そうすることにより、顧客にとってすぐに問題解決できるようになるだけでなく、顧客から届く直接的な声の総数を少なくする事ができ、企業にとってもより迅速な対応、丁寧な対応を行いやすくなります。よって顧客とのコミュニケーションを強くする事ができます。

(2)システムを構築する-  3つの方法を紹介します。1つ目は、ソーシャルメディアコメントや質問に対するガイドラインの作成を行います。社内で、 返事の仕方がわからず対応できないと言う状況をなくすためです。2つ目は、ソーシャルメディアごとまたは部門ごとにソーシャルメディア担当を設ける、つまり人員を増やす事です。3つ目は、コメントを一元に集約できる、コメント分析を行えるような業務効率を改善するツールを導入する事です。

その他に、投稿内容の強化を行い、企業側から顧客との繋がりを持つきっかけを増加させることにより、顧客とのコミュニケーション強化を測るという戦略があります。

その時には、定期的な投稿、最適投稿時間での投稿、投稿内容の分析、社内メンバーとの情報共有の連携・共同を行う必要があります。

ソーシャルメディアチーム発足・投稿内容の構築から分析レポートの作成、再投稿まで全て行うにはかなりの労力が必要になります。Statusbrewのようなソーシャルメディアマーケティング管理ツールを用いれば、共に業務を担当するユーザーグループや、ソーシャルメディアアカウントを目的別に合わせるプロファイルグループの作成、予約投稿分析指標の抽出及び自動レポートの作成までの全てを、1つのStatusbrewツールの中で一括して行う事ができます。

また、先ほど3-2で述べたようなコメントを一括にまとめ、コメント対応も容易にします。

これにより、大幅に労力を減らす事ができるだけでなく、効率化することにより、より深くより効果的にソーシャルメディアを運用する事ができるようになります。

6.顧客意見への適切な対応と長期的な関係構築

ソーシャルメディア上でのコメントがどれほど大きな影響力を持つかについては、以前の記事で記させていただきました。

今回は、ユーザーの活動チェーンをもとに、ユーザー視点・企業視点のタッチポイントをキーワードに購入後の企業の活動について記載していきます。

長期的な関係構築のために何よりもユーザーが満足し成功し続けることが必要となります。自社のプロダクトを購入し続けてもらう、何度も購入してもらうためには、ポストセール、つまり購入以後にどうアプローチするのかが重要になってきます。つまり、ユーザーの活動を具に追いかけ、積極的にフォローする体制を敷いてユーザーの成功を見届ける、カスタマーサクセスを行う必要があります。

顧客の意見への適切な対応は、主に2種類に分ける事ができます。

ハイタッチ:プロダクトの使い方に困っていたり、細やかな説明を要する場合、基本的にはデジタル、つまりメールやソーシャルメディアで対応、時には対面で対応することもあります。これらは、直接手厚くアドバイスを行い成功の手助けを行います。

ロータッチ:もう一つは、ロータッチな対応です。これは、企業とユーザーではなく、ユーザー同士、顧客同士がやりとりできる場をきちんと設けることです。企業側は意図していなかったけれど、自然発生的に顧客同士のやりとりの場が発生し、ソーシャルメディアで話題になる企業もありますが、意識的に行うこともできます。これは、ソーシャルメディア上での顧客同士のやり取り、顧客からの投稿などが当てはまります。時には、顧客・ユーザーが他の顧客やユーザーのエヴァンジェリストとしての役割を担う場合もあります。

このポストセールス後のアップデート、アップグレード段階のタッチポイントに意識し、ロータッチ、ハイタッチ双方の対応を行うことで、ユーザー、顧客と長期的な関係を築きやすくなります。技術やアイデアは模倣がなされやすいですが、ユーザーとの強力な繋がりであるメンバーシップは、真に模倣しにくい屈強の強みとなります。

川上昌直[2019] 『「つながり」の創り方』東洋経済新報社

コメント返信に関わる分析指標について、ここではその代表指標を挙げます。

より詳細な分析指標、そしてその測定方法については、以前の記事、「Amazon Japanに学ぶ!ソーシャルリスニング、カスタマーケアとその分析方法」をご覧ください。

1.平均応答時間 (Average Response Time)

平均応答時間は、ヘルプデスクで提起されたチケットに応答するまでのサポートチームの時間を示します。これは、特定の時間枠で応答するのにかかった時間の合計を、その特定の期間の応答数で割ったものです。平均応答時間は、1週間、1ヶ月、1年などの特定の期間にエージェントが送信したすべての応答の標準的な時間です。



2.平均初回応答時間(Average First Response Time)

平均初回応答時間は、お客様がチケットを発行してから(例えばTwitterでDMを送信してから)、サポートチームが最初の応答をするまでの時間を記録します。初回回答時間は、お客様が回答を得るまでに待たされた時間を示すことで、サポートチームの効率を測定します。初動時間が短いほど、お客様に好印象を与えることができ、お客様の満足度が高くなります。平均初動時間は、初動時間の合計をチケットの数で割ることで算出できます。

3.平均処理時間(Average Handle Time)

担当者が対応したチケットに費やす平均時間を示します。平均通話時間、平均保留時間、合計フォローアップ時間など、担当者が会話自体に費やした時間のみを追跡し、総通話時間、総保留時間、総コール後の作業時間を総コール数で割ることで計測されます。チームメンバーが開いたチケットごとに費やす平均時間を分析するのに役立ちます。

4.平均解決時間(Mean Time To Resolution)

チケットが最初にオープンされてから、解決されて閉じられるまでの時間を表します。平均解決時間を計算するには、すべての解決済みチケットの合計解決時間を解決済みチケットの数で割ると、平均解決時間が算出されます。

6.未解決のチケット(Unresolved Tickets)

未解決のチケットやバックログの数は、サービスレベルアグリーメント(SLA)の時間を過ぎても開いている状態のことです。バックログ状態のチケットの数が多いほど、未解決のチケットの割合が高くなり、お客様に迷惑をかけることになります。チケットの増加を最小限に抑えるために、日、週、月ごとの目標を設定することが求められます。お客様がチケットを発行する際に好んで使用するコミュニケーションチャネルを監視し、それらのチャネルをチェックしてチャネルを最適化し、バッグログを最小限に抑えましょう。

Statusbrewの180以上のレポート指標により、ユーザーはソーシャルメディアでのカスタマーサービスの取り組みの影響を分析することができます。

Statusbrewの'Team Engagement'と'Leaderboard Report'により、顧客サービスチームがブランド全体でどのように顧客からの問い合わせを処理しているかを分析・監視することができます。

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Manaka Irie

インド発のソーシャルメディア管理ツールStatusbrewのコンテンツマーケターです。 世界中のソーシャルメディアマーケターの知見と最新情報をもとに、企業様/代理店様向けの記事を執筆しています。 大阪生まれ神戸在住。2023年中にインドへ渡印!好きな動物は牛🐮好物はお寿司と刺身。パニールキーサブジーも好き。趣味はジョギング。現在38カ国に友人がいます。目指せ、全世界。 よろしくお願い致します。

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