5つの「認知」を体現するアメリカ発メンタルケアアプリBetterhelpに学ぶInstagramマーケティング

2023年7月5日 4 min read

こんにちは、Statusbrewです。

Statusbrewでは、ソーシャルメディアマーケティングを行う全ての皆さんに、よりマーケティングの観点から得られる知見をこちらのブログプラットフォームでサポートしています。

その中でも、ソーシャルメディアマーケティングでは「マーケティングファネル」に基づくアプローチを推しています。

ソーシャルメディアという空間でのブランド間の競争は激しく、且つ「フォロー解除」のボタンつまりは「興味がなくなったら即見切られる」確率は一段と高いソーシャルの世界です。

商品そのものを売るので把握、そもそも彼が本当に抱えている問題を突き止め期限内に解決する中で、ブランドとのジャーニーの各段階において「最高のカスタマーエクスペリエンス」を提供することが「あなたが顧客から選ばれるため」に重要だと考えています。

あなたが選ばれるブランドになるには、目先のコンテンツだけではもう勝てない時代です。選ばれているブランドが何をおこなっているか?をぜひ学んでみませんか?

本日は、アメリカ発のBetterhelp(ベターヘルプ)というメンタルケアアプリケーションがおこなっているソーシャルメディアマーケティングを全体的な例にさせていただきます。

Betterhelpは、電話、チャットやビデオ通話を通じて専門的なオンライン・セラピーを提供し、会員それぞれのニーズや好みに応じてセラピストをマッチングしてくれるためのアプリケーションです。

BetterhelpのInstagramコンテンツは、すべてのファネルにいるユーザーを自然に惹きつけるのが非常に上手だとレビューしています。今日はBetterhelpから学びましょう。

その前に:ソーシャルメディアにおける顧客体験のペルソナ


一見してどのオーディエンスもデモグラフィック特性(職業や年齢層、性別、住まい)が異なることを除けばかなり同質的であるように見えるのがソーシャルメディアの顧客セグメントです。
しかしここで行動パターンという別の角度からアプローチしてみましょう。
あなたの顧客はあるデモグラフィックの範囲内に分類されるかもしれませんが、だからと言って年齢や住まい地域が彼らの購買行動や決定方法、なぜ他の製品ではなくその製品を選んだのかということを決定づけるわけではないのです。したがって、顧客を似たような行動やそのニュアンス(不満、目標、背景など)に基づいてグループ化し、彼らに合わせてソーシャル上のサービスを提供すべきとも言えます。

世の中に存在するオーディエンスの種類は「問題の認知しているか」

コンテンツマーケティングにおいて、この世には大きく3種類の人間が存在します。


1. 問題をすでに認知しているし、解決法も知っている
2. 認知しているが、その解決法にたどり着いていない
3. 潜在的な問題に気づいていない

です。

よりテクニカルに展開すると、

・Unaware - 問題認知なし
・Problem Aware - 問題認知している
・Solution Aware - 解決方法を知っている
・Product Aware - 商品/サービスを知っている
・Most Aware - 使いこなしている

と言えるでしょう。

ブランド認知に対するより詳細なブログは - こちら

Unaware - 問題認知なし

アウェアネス(認知)を目指すマーケターにとって、最も難しいステージがこの「ユーザー本人がそもそも問題意識がない」ことです。

そんなただでさえ問題意識として受け入れにくい「ユーザーの課題」を主にInstagram上で、とても自然体にユーザーの「深層心理」を引き出す投稿をしています。

「今どんな気分ですか?」という問いかけ

一見これだけでは、メンタルケアアプリだとわからないことでしょう。投稿の中に、「今どんな気分ですか?」という問いかけとともに、「悲しい」「のんびり」「怒り」「恐怖」「恥ずかしい」など誰もが「答えることのできる選択肢」を提供しています。

ここで自分のメンタリティがどんな状況にあるか、を気づかせる小さな仕掛けがBetterhelpはとても多いのです。

また、メンタルケアアプリである、というビジネス業態の認知もですが、「自分はメンタルケアが必要」「セラピストの助けが必要」と気づくことも難しいものです。

メンタルに影響しやすい「職場の人間関係」について

ユーザーの感情の要因をより具体的に示すコンテンツもこの認知獲得の段階に利用されています。その例が、上記の「メンタリティに影響しやすいのは職場の人間関係」と、ユーザーも気づいていないかもしれないより具体的な「要因」に問いかけます。

ここで課題の解決を認知する段階にきます。

Problem Aware - 問題認知している

自分がメンタリティに問題があったり不安を抱えているユーザーに、複数ある選択肢の中から「セラピストに頼る」という一手もコンテンツの中で語られています。

右上、選択肢3つ目に「セラピーに行く」

Solution Aware - 解決方法を知っている

このステージにくれば、あとはセラピストと実際にマッチしようとしているユーザーに対してのアドバイスコンテンツが重要になります。

こちらの投稿のように、

・あなたに合うセラポストの選び方

・セラピスト、カウンセラーに初回で聞くべき質問

・実際カウンセラーと話して「何が起こるのか?」「今後どのように役立てるべき、向き合うべきなのか?」の「未来までの解決策」

をサポートするようなコンテンツも半分を占めています。

Product Aware - 商品/サービスを知っている

通常セラピストに会うには病院に直接予約をする、ことが従来一般的でしたが、アプリでマッチングして、その上でユーザーが最も望ましい方法でカウンセラーとのセラピーを開始する、というこれまでになかった選択肢についての導入事例やセラピスト本人たちからのメッセージをInstagramリールで届けています。

どの認知段階にいるユーザーにも、幅広く満遍なく、ごくシンプルでわかりやすい文章とイラストレーションでリーチを試みているのがBetterhelpの特徴でしょう。

闇雲に投稿し続けるよりも、どの認知の段階にいるオーディエンスに何を伝えたいのか?このオーディエンスを次はどの段階に移動させたいのか?を深く考えたソーシャルメディアマーケティングを行っていきましょう。

Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディアモデレーション&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ岐阜県出身。少女漫画と文学作品、ワインとインドが好きです。

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