こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。
2023年、ソーシャルメディアの変革期が来たのではないでしょうか。
2022年10月27日にイーロン・マスクがTwitterの買収に合意し、その直後に多数のTwitterの経営陣を解雇したことをきっかけに、Twitterの利用者がTwitter利用継続を検討する動きが見えてきました。
「#TwitterMigration(Twitterからの移動)」や「#TwitterExodus(Twitterからの脱出)」といったハッシュタグがトレンドに上がり、世界様々な言語でTwitter運営のあり方に疑問視する声が多くなりました。
しかし、このTwitter関連で最も騒がれているのは、「Mastodon(マストドン)への移行」です。
イーロン・マスクのTwitter買収が発表された翌日、7万人以上もののユーザーがマストドンにアカウントを構築しています。10月27日以降、約50万人の新規ユーザーを獲得し、マストドンは現在100万人以上のアクティブユーザーに到達しています。
しかし、マストドンとはいったいどんなソーシャルチャネルなのでしょうか?乗り換えてTwitterから離れる価値はあるのでしょうか?
とりあえずMastodonとは?ソーシャルネットワークと呼べるの?
Mastodonは、ドイツ人開発者のEugen Rochko氏によって2016年10月にリリースされた、オープンソースの分散型ソーシャルメディアプラットフォームで、特にイーロン・マスクのTwitter買収以来、誰もが話題にしています。
最も大きな特徴は、マイクロブログ機能があり、独立して存在する「インスタンス」と呼ばれる多くのMastodonコミュニティによって提供されています。
このプラットフォーム、何か聞き覚えがあるな、と考えていたら、日本のソーシャルネットワークの先駆けとなったmixiと似通う部分があります。
mixiはもともと、TwitterやInstagramとは異なり、
- 自分の属性をオープンにする"コミュニティ"で、自分で所属するコミュニティを決めることができる
- コミュニティからネットワーキングを形成するため、一人のユーザーだけによるコントロールが効かない
- ミニブログ機能
があることから、より「自分らしく個人とコミュニティを形成できる」ソーシャルチャネルともいえましょう。
じゃあTwitterとはどう違うの?
Mastodonは視覚的にはTwitterに似ています。サインアップしてアカウント作成、投稿の作成(Twitterではツイートですが、MastodonではTootと呼びます)、そして「親しくなれる友達」をスクロールして探す、ここまでは同じでしょう。
しかし決定的な違いがあります。最大の違いは、Twitterが単一のソーシャルプラットフォームであることです。ユーザーはサインアップして、Twitter上のコンテンツのみを共有します。
Mastodonは分散型(federated platform)プラットフォーム、つまり、異なる人、グループ、組織が所有するソーシャルネットワークやサーバーの集合体としてリンクされているのです。
後ほど詳しく解説しますが、Mastodonのユーザーはサインアップする際に、「名前やメールアドレスを設定する前に」インスタンスと呼ばれる、あなたが今後参加するサーバーを選択する必要があります。Mastodonインスタンスは個々のコミュニティであり、それぞれが独自の文化やルールを持ちます。
Mastodonは、ユーザーやサーバーの作成者に何かをさせることはできません。その代わり、サーバーの作成者は、ユーザー同士がどのように交流するかを決定します。つまり「ルールブックやコンセプト」のようなものを決定できるのです。
マストドンとツイッターのその他の主な違いは以下の通りです。
- Mastodonは広告フリーです。
- Mastodonはユニバーサル認証システムはありません。
- Mastodonは500文字までテキスト入力が可能です。(Twitterは280文字)
- Mastodon は、新規ユーザーの流入により動作が重くなることがあります。
- Mastodonの投稿は、アルゴリズムに基づくのではなく、時系列で表示される。
Mastodonは「サーバー」= 別名インスタンスによって成り立っている!
こちらにアクセスすると、下記のスクリーンショットのように、Create account(アカウント作成)ボタンがあります。
ここまでは他のソーシャルチャネルと同じなのですが、Mastodonを利用開始するにあたって、少し注意深い理解が必要です。
TwitterやTik Tokなど、ほとんどのソーシャルメディアは、アカウントを作成する際に「ユーザー名」「メールアドレス(電話番号の場合もあり)」のみあれば完了するものですよね。
アカウント作成ステップが完了すると、
Mastodonサーバー(インスタンス)の一覧ページが表示されます。そこから選択してください。インスタンスの中には、すぐにアカウントを作成できるものもあれば、申請や招待を受ける必要があるものもあります。
Mastodonのサーバーとは?自分の属性を選ぶことから開始しよう
Mastodonは、オープンソースの分散型ソーシャルメディアプラットフォームです。誰でもマストドンのコードを使って、無料でサーバーを作成することができます。
Mastodonのトップページの右上に、Serverというメニュー項目があることにお気づきでしょうか?
各セクションの中に、マストドン.social、mastodon.world、mastodon.onlineのように名前.ドメインのようなサーバー名が付けられています。
このMastodonサーバーは「インスタンス」とも呼ばれ、それぞれが独自のルールと文化を持つ、コミュニティ単位です。サーバーは、個人、グループ、専門組織が所有することができ、サーバーの所有者は、コミュニティのガイドラインを規定、公表する人です。
マストドンのインスタンス一覧は、現在4,000サーバーあり、以下のようなコミュニティがあります。
・アニメーター
・エンジニア
・数学愛好家
・音楽ラバー
・オランダ人
・社会活動家
このインスタンスリストは、地域、トピック、個人か公的組織か、登録速度、言語によって絞り込むことができます。どのサーバーに入ればいいのかわからなくても大丈夫です。いつでも他のマストドンサーバーを使っている人と交流したり、新しいサーバーにあなたの属性を乗り換えることができます。
アカウント作成
サーバーを選択したら、ユーザー名とパスワードを作成する前に、選択したサーバーのポリシーやルールに同意する必要があります。
たとえば、home.socialでは、ヘイトスピーチの禁止、意図的に虚偽または誤解を招くような情報の共有の禁止などの条件に同意する必要があります。
選択したサーバーは、あなたのアカウント、プロフィール、フィードのホームとなります。プロフィールのアドレスは、@[あなたのユーザー名]@[あなたのサーバー名]となります。
サインアップ後、アカウントを有効にするためのリンクが記載されたメールが届きます。
1-2分経っても受信トレイにメールが表示されない場合は、迷惑メールフォルダを確認してください。アカウントを有効にするには、メールに記載されている「メールアドレスの確認」ボタンをクリックしてください。
ログインできない!?所属するサーバーを確認しよう
いざフィード利用開始して、事あるごとにMastodonでは「ログイン」が必要になります。あれれ?メールアドレスもパスワードもあっているはずなのにログインできない?下記のようなスクリーンショットの現象に出くわしている場合、
赤字の警告文の通り、あなたはこのドメインのサーバー、mstdn.socialにそもそもまだ属していないがために、ログインを許可されていないことになります。
あなたがログインしようとしているサーバーは、確かにあなたがアカウント取得をしたサーバーであるかを必ず確認しましょう。
悩み放題!あなたにあったコミュニティ=Mastodonのサーバー選び
Mastodonには7,500以上のサーバー(=コミュニティ)があり、サーバーを選ぶのは難しいように思われるかもしれません。しかし、もし最初に参加したサーバーが気に入らなければ、いつでも他のサーバーに変更することができます。
ここでは、Mastodonサーバーを選ぶためのコツを紹介します。
そもそもソーシャルの情報過多な大海原に疲れて行き着くとも言われているMastodon、あなたの中で「ソーシャルがこの範囲だったらいいのに」と思うことはこれまでにありませんでしたか?
まだまだ「自分の理想郷を言語化できない」、という場合は以下のことをチェックしてみましょう。
モデレーションポリシー
どのような種類のコンテンツが許可されているか、コンテンツのタグにはどのような規則があるか(ネタバレ禁止等)、嫌がらせやヘイトスピーチに関する規則、など。
サーバーの年齢(新しさ)
サーバーが新しい場合、すぐに消滅したり、アクティブなユーザーが減って過疎化したり、多くのメンバーを見つけることができないかもしれません。一方、古いサーバーは、すでに大規模なコミュニティがあり、安定したサービスを提供している可能性があります。
Mastodonをどの程度使いたいのか、他サーバーと交流したいか?
サーバーによっては、すぐに登録できるものもあれば、参加する前に手動で審査が必要なものもあります(または招待状が必要なものもあります)。
他のどのサーバーと交流したいか。他のサーバーの人と交流したり、フォローしたりすることができます。しかし、サーバーは他のサーバーをブロックすることができます(政治的見解が異なる、モデレーションポリシーが大きく異なる、などの理由で)
自分が見たいコンテンツだけを閲覧できる
Mastodonは、「すべてあなた自身がある程度閲覧コンテンツをコントロール」できること、また一般的なものでもニッチなものでも、あなたの好みのコミュニティで、好みのフィードに仕上げることができます。
建設的な批評の場が欲しいのか、オタク同士の語り合い?
例えば私が属している、mastodon.socialのような一般的なメガサーバーに参加しても、ニッチなコミュニティ体験は得られない、ということにはお気づきかもしれません。
現在ユーザーの多くには、中道的なアプローチを推奨されています。広範な興味関心に焦点を当てた中規模のコミュニティを探します。自分の興味を維持しながら、多様な会話を巻き起こすのに十分な広さのトピックを探すことから開始してみましょう。例えば、「Apple製品(Macbook Pro)の修理」ではなく、「テクノロジー 」という広範囲なコミュニティを考えてみてください。
Mastodonのフィードは3種類
他のサーバーのコンテンツを見たり、他のサーバーの人をフォローすることができるのに、なぜ参加するコミュニティが重要なのでしょうか?なぜなら、あなたのホームサーバーは、あなたのサークル以外の新しい人々やコンテンツを発見するのに最適な場所だからです。
以下は、あなたが見ることになる3つのフィードの内訳です。
ホームフィード:あなたのサーバーにいるかどうかに関わらず、あなたがフォローしている人のコンテンツが表示されます。
ローカルフィード:あなたのサーバーにいる人たちのコンテンツが表示されます。
フェデレートフィード:あなたのサーバーにいる人がフォローしている人のコンテンツが表示されます。
Tootを投稿してみよう
Toot(トゥート)とは、Twitterでいうツイートと同じく、前述のサーバーの中で共有できる投稿のことです。トゥートとは、、なんとも発音しにくいのは私だけでしょうか。
Twitterとは異なり、Tootの長さは最大500文字で、ユーザーはもう少し余裕を持って作業することができます。また、ネタバレ警告をクリックできるなど、いくつかの機能も備えています。Twitterとは異なり、Mastodonのユーザーは、自分のTootを誰に見せるかをより自由にコントロールすることができます。これらの投稿は、サーバー上の全員から、直接@メンションされた人々だけまで、いくつかの異なるグループと共有するように調整することができます。
ツイートと同じく、Mastodonのあなたのサーバーのトップページの左手に、Toot作成ブースがあります。
- 警告文
- メディア追加
- 投票
- コンテンツ共有範囲
- 言語
を任意で選択して投稿をクリックすると完了します。
Mastodonは次のマーケティングチャネルになり得るか?
さて本題になります。
MastodonはTwitterのようなマーケティングチャネルになり得るのでしょうか?
Mastodonはブランドのマーケティングチャネルになり得ます。
しかしこれまで以上に慎重に行う必要があります。Mastodonは、これまでのようにフォロワーを獲得し、フォロワーを顧客にするためのものではなく、すべては「人」です。これこそ人と人との繋がり、になり、「狭い村の中で様々な監視に置かれる」可能性が非常に高いプラットフォームです。
だからといって、マーケターにチャンスがないわけではなく、もしあなたが長期的な戦略がある場合は、法人がどのように使っているかをモニタリングすることから開始すると良いでしょう。
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