みなさんこんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。
突然ですが、よく「ソーシャルメディアで分析をしたい」というかと思いますが、何のために行なっていますか?
もっと言えば、ソーシャルメディア運営の過程でデータに基づく意思決定を普段から行っていますか?あなたのビジネスは、データから最大限の価値を引き出していますか?
というのも、どんなにデータを集計、抽出しても、最終的にデータを元に「アイディアを変える」「意見を変える」意思決定に繋がらないと、いつまで経ってもブランドにとって成長はありません。
データを活用して意思決定を行うマーケティングのことを「データドリブンマーケティング」と言います。この、比較的新しいマーケティング手法は、消費者の購入までの経路が多様化した現在、とても有効なものとなっています。
ソーシャルメディアのデータを取りたい、ソーシャルメディアの分析を行いたい、データを活用して最適な選択をしたい。そう考える方がこのブログを読んでくださっていると思います。
しかし、データを何に活用するかのビジョンは明確ですか?なんのためにデータを取るのでしょうか?ソーシャルメディアでより良い結果を残すため?では、「良い結果」とは何でしょうか?
今回は、データを取る背景や目的、どのようにデータを取って、そしてどのようにソーシャルメディアでの意思決定に生かすのか、その具体的な手法について解説していきます。
データを活用する際、明確なビジョンを持つことが成功の第一歩です。このブログを通じて、ソーシャルメディアデータを活用し、ビジネスに価値をもたらすためのステップについて、詳しく説明していきます。
このブログでは、データの取り扱いの技術的なところにフォーカスするのではなく、実際にどうすればいいのかにフォーカスして紹介していきます。
なぜデータによる意思決定が必要なのか?
データに拠る意思決定、あるいはデータドリブンマーケティングの目的は、マーケティング戦略にデータ分析を活用することで、全体的なパフォーマンスを向上させ、より効果的に目標を達成できるようにすることです。
一人のSNS運営担当者のセンスや経験に頼るソーシャルメディア運営ではなく、客観的な事実に基づく組織的、長期的なアカウント運営が可能となります。
意思決定が属人的で無くなるメリットの他にもデータを用いることで、ROIの計算や効率よいソーシャルメディア運営が可能になると言ったメリットがあります。
「意思決定」の基本
Exploratoryのオンラインセミナー「意思決定のための科学的思考」では、「科学」とは、「疑う」文化であり、「科学的手法」とはその疑問に対して実験をし結論を導き出す手法のことだと定義しています。
データ・ドリブンマーケティングやデータを使った意思決定もそうあるべきだと筆者は考えます。
つまり、
- ソーシャルメディアの戦略に関して疑問を持つこと
- 仮説を立てデータを集めることで実験・検証をすること
- 実験から得られた結果で意思決定をすること
が重要だということです。
データ収集・分析の流れ
ソーシャルメディアデータの収集・活用の基本的なプロセスは以下の通りです。
- 目的の明確化
- 仮説・データ収集計画を立てる
- データ収集ツールを選ぶ
- データを収集
- データ分析
- 意思決定へ応用
- 継続的にモニタリング
ここで重要になるのが、消費者の購入プロセスのどこの段階にアプローチしたいのかや、目的・下したい意思決定に合わせて集めるデータを変えることです。
何を持ってソーシャルメディア戦略が成功したといえるのでしょうか?
それによって、必要なデータが異なってきます。
ソーシャルメディアを通じて認知を得ることが目的なら、リーチ数やインプレッション数などが成果を測るためのデータに成るでしょう。
一方で、もし購入や会員登録など行動を起こしてもらうことが目的なら、リーチ数やインプレッション数だけは核心をつくデータにはならないでしょう。
このように、達成したいゴールによって必要なデータが異なります。
そこで、次のセクションで目的別に必要なデータをまとめて見ました。データ収集と分析の参考にしてみてください。
目的別データ収集
それぞれデータのカテゴリを分けると、
認知度に関連するデータ
- インプレッション数 (コンテンツがフィード上に表示された回数)
- リーチ数 (コンテンツが実際に表示された人数)
- ブランドのメンション
- 業界のメンション
- ハッシュタグ
- フォロワー数
エンゲージメントに関連するデータ
- いいね数
- コメント数
- シェア数
- 保存
- クリック数
行動に関連するデータ
- コンバージョン率 (特定の行動(購入など)に至ったユーザーの割合)
- クリックスルー率(CTR)(広告やリンクが表示された回数の何割クリックされたか)
- クリック単価(CPC)(広告やリンクをクリックした際の1クリックごとの費用)
カスタマーサービスに関連するデータ
- 返信に掛かった時間
- 返信率
ターゲットに関連するデータ
- 男女比
- 居住地
- 興味・関心
となります。
これらを適切に活用して、意思決定に役立てましょう。
ソーシャルメディアマーケティングで下す主な決断は、
- プラットフォームの選択
- コンテンツの内容
- ターゲットオーディエンス
などがあると思います。それらの意思決定をデータに基づいて行う場合、どのようなデータが必要で、どのように意思決定をするのかの例をご紹介します。
ソーシャルメディアで下す意思決定別必要なデータの例
プラットフォームの選択
プラットフォームを選択する段階にあるということは、ソーシャルメディアの運営を始めたばかりの段階にあると思います。その段階では、アカウントの存在を認知してもらうことが当面のゴールになります。そのため、フォロワー数やインプレッション数、リーチ数が意思決定に必要なデータとなるでしょう。
- インプレッション数
- リーチ数
- フォロワー数
また、正しいターゲットにリーチ出来ているかを確認するために、オーディエンスのデモグラフィック情報も、意思決定に役立てましょう。
- 性別
- 居住地
- 興味・関心
コンテンツのタイプ
コンテンツを通して達成したい目標は、①認知の獲得のために多くの人に見てもらうこと、②興味を持ってもらうことと、③購入に繋げることです。
コンテンツが上手く作用しているのか、コンテンツの内容やコンテンツのタイプがそのままでいいのかを判断する為に、それぞれのフェーズで以下のようなデータが意思決定に役立ちます。
①多くの人に見てもらう
- インプレッション数
- リーチ数
- ハッシュタグ
②興味を持ってもらう
- リーチ数
- いいね数
- コメント数
- シェア数
- 保存
③購入につなげる
- クリック数
- コンバージョン率
- クリックスルー率(CTR)
- クリック単価(CPC)
投稿頻度
投稿頻度を調整することも、ソーシャルメディア運営には必要です。ブランドの認知度を高めることが目的なら、頻繁に投稿することが求められます。エンゲージメントを高めることが目的なら、。
リーチあるいはエンゲージメント数÷インプレッション数が、小さすぎる場合は投稿回数が多すぎるかもしれません。なぜならこの数値が小さいということは、フィード上に表示されて人の目には触れているものの、詳しく表示されずにそのまま流されてしまっているということを表すからです。
- エンゲージメント数
- リーチ数
- インプレッション数
データ収集と分析の実際のステップ
データ収集の実際のプロセス
データ収集
- 目的の明確化
- 仮説・データ収集計画を立てる
- データ収集ツールを選ぶ
- データを収集
データ分析
- データ分析
- 意思決定へ応用
- 継続的にモニタリング
- 目的の明確化
データを収集する際最初に考えるべきことは、
- どのような疑問を解消するためにデータを取るのか?
- どうしてその疑問を解決したいのか?
- 最終的にどのような目的があるのか?
です。
例えば、「適切な投稿頻度が知りたい」という疑問を立てたとします。
しかし、それだけでは不十分です。もう一歩踏み込んで、なぜその疑問が生まれたのかまで立ち返りましょう。
投稿頻度を調節することで、「ソーシャルメディアでの企業の認知度を向上したい」のか、それとも「フォロワーのエンゲージメント促進したい」のか、「少ないコストで最大限の効果を出したい」のかまでを明確にしておくことが求められます。
その次に、その目的を達成するために何をするべきか逆算して仮説を立てましょう。
その際に考えることは、
- 自分のソーシャルメディアはどの段階にあるのか?認知?興味?行動?
- オーディエンスにどのような反応をして欲しいのか?
- どの数字が目標になるのか?
- いつまでに達成したいのか?
などです。
- 仮説・データ収集計画を立てる
次に、どのソーシャルメディアプラットフォームからどんなデータを収集するかの収集計画を立てます。
データ収集計画には
- 目的
- プラットフォーム
- 計測頻度
- データ
- 仮説
を含めます。
例えば、「Instagramでの適切な投稿頻度が知りたい」という疑問に対しては、
- 目的 → エンゲージを高めたい
- プラットフォーム → Instagram
- 計測頻度 → 月毎
- データ → インプレッション数・リーチ数・エンゲージメント数
- 仮説 → 投稿頻度が多いほどエンゲージが高いのではないか?
投稿頻度が多すぎると逆にエンゲージメントは下がってしまうのでな いか?
のようになります。
ここで、投稿頻度のみを変えて一定期間実験します。このように、2つ以上のバージョンを比較し、どちらがよりよいパフォーマンスを示すか確認するプロセスをA/Bテストと言います。最低でも2週間データを取るために実験しましょう。
- データ収集ツールを選ぶ
その後、データ収集計画に沿って、X/Twitter、Instagram、Facebookなど、ターゲットとなるプラットフォームから、フォロワー数、投稿のエンゲージメント、または特定のキャンペーンに関するデータなどを収集します。このデータ収集は、ソーシャルメディア分析ツールを使用することで合理化され、データ収集からレポーティングまでを効率的に行うことが出来るようになります。
7日間の無料トライアルもあるStatusbrewは優れた分析機能を提供します。
- データの収集
実際にデータを収集します。
データの実際の分析方法
- データを分析
得られたデータを視覚化し、パターン、傾向、洞察を特定します。
例えば、先ほどの「Instagramでの適切な投稿頻度が知りたい」という疑問に対して行ったA/Bテストの結果をもとに、週2投稿、週3投稿、週4投稿のアカウントリーチ数の伸びをグラフにしてみましょう。また、リーチ数/インプレッション数も同様にグラフにしてみましょう。
パフォーマンスを比較するために、週に2回投稿するときと週に3回投稿するときの成果の違い、そして週に3回投稿するときと週に4回投稿するときの違いを、1か月など期間を決めて実験してみて、その結果を調べて比較します。
- 意思決定に応用
最後にデータの分析結果をもとに意思決定をします。このときに、目的を意識して意思決定をします。
もし、データの分析結果が以下の通りだったなら、
意思決定は、最終目的によって変わるはずです。
もし、週4回投稿をしても、週2回投稿と週3回投稿の差ほどの成果を得られなかったとしたら、週4回投稿するよりも週3回投稿する方が効率が良いと考えられるでしょう。
- 継続的にモニタリング
ソーシャルメディアでは時々刻々と新しいトレンドやユーザーの行動パターンが生まれます。そのため、一度の分析だけでは最新の情報を捉えきれないことがあります。また、企業の目標や戦略も時間とともに変わる可能性があるため、定期的なモニタリングはその適応に役立ちます。さらに、継続的なモニタリングを行うことで、データを蓄積することができ、戦略を修正する際の判断材料にもなります。そのため、継続的なモニタリングは、最新の情報を捉え、効果的な戦略を維持・改善するために不可欠です。
まとめ
データを活用した意思決定のカギは、まず明確なビジョンをもつことです。なぜデータを集め、どのような疑問を解消し、どのような意思決定をしたいのかを把握することが成功の出発点となります。ソーシャルメディア戦略の目的やフェーズによって必要なデータが異なるため、収集や分析はそれらに合わせて行われるべきです。
次に、意思決定を行う際は、一度でベストな選択肢を選ぼうとするのではなく、A/Bテストを繰り返しベターを選ぶことを重ねていきましょう。データを使って、正しさを証明しようとすると、都合のよいデータしか見えなくなってしまう場合があるので注意が必要です。
そのためにも、継続的なモニタリングと常に疑問を持ち続けることが求められます。
Statusbrewはソーシャルメディアの高機能アナリティクスを提供しています。それを使いカスタマイズ性の高いデータ収集・分析をすることで、より精度の高い意思決定が可能になります。ソーシャルメディアのパフォーマンスを客観的に見直したい方はお気軽にお問い合わせください。
また、Enterprisesプランからはソーシャルメディアのデータ収集に関するコンサルティングから実装までを専任のアカウントマネージャーがサポートします。
データを活用して、あなたのソーシャルメディアを効率的に成長させましょう!
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