「フリーおっぱい」に「こっくうーん♡」!?炎上マーケティングの手法とそのリスクについて!!

2018年3月13日 8 min read

みなさんこんにちは!え、タイトル見て引きましたか?(笑)引かないでください(泣)

えー、誤解を避けるために先に言っておきますが、「フリーおっぱい」はつい先日、「こっくうーん♡」も昨年ニュース等で話題になった、炎上商法の一つです。

炎上商法、通称「炎上マーケティング」は、一応マーケティング手法の一つです。わざと炎上するような宣伝などをしてバズらせる、言わば一か八かの博打的なマーケティング手法ですが、果たしてこういった手法は本当に効果的なのでしょうか?

今日はそんな炎上マーケティングについて解説し、様々な事例とともにそのリスクについても紹介していきたいと思います。

目次

1.炎上マーケティングとは?
2.炎上マーケティングの事例
2–1:ROMチョコレート
2–2:サントリービール 「こっくうーん♡」
2–3:渋谷「フリーおっぱい」
3.メリットとリスク
3–1:メリット
3–2:リスク
4.まとめ

1.炎上マーケティングとは?

炎上商法とも呼ばれるこのマーケティング手法は、皮肉にも数あるマーケティング手法の中で最も有名ではないでしょうか?マーケティングの知識がない中高生でも、聞いたことがあるワードだと思います。

一応改めて説明させていただきますと、炎上マーケティングとは、わざと賛否両論、あるいは反対する声が多くなるであろうコンテンツを配信し、わざと炎上させることで人々の間で話題になること、いわゆるバズることを狙うマーケティング手法です。

英語では「Flaming Marketing(誹謗中傷商法)」と訳され、確かに炎上商法の中には差別など、誹謗中傷を連想させるようなコンテンツが含まれている場合もあります。

ちなみにここまで読んでお分かりかと思いますが、バズマーケティング・バイラルマーケティングと炎上マーケティングは、紙一重の存在です。違いと言えば、人々の反感を買うかどうかという1点だけ。人々の注目を集め、短期間で話題になりアクセスを集めるという点では、両者に違いはありません。

言い換えるならば、私達はバズるコンテンツを作る際に、それが人々の反感を買うコンテンツにならないように注意しなければならないのです。かといって、反響のないコンテンツはバズることはありません。だからそのギリギリを狙う、そんな駆け引きに成功したコンテンツこそが真のバズったコンテンツなのでしょう。いかにバズマーケティングや、バイラルマーケティングが難しいことか、、、。

じゃあ炎上マーケティングは駆け引きに失敗したものばかりなのかというとそんなことはなく、先ほど申しました通りわざと炎上させることも非常に多いです。そしてそれらが倫理的に良いかどうかは置いておいて、炎上マーケティングの中にはマーケティングという観点から見た場合、成功と言わざるを得ないような場合もあります。

次項からは、具体的な炎上マーケティングの実例を紹介します。

2.炎上マーケティングの実例

2–1:ROMチョコレート

炎上マーケティングの最も成功した例です。しかも国中を巻き込んだ、一か八かのハイリスクハイリターンな賭けともいえる事例です。

ROMチョコレートはルーマニアソ連支配下の1964年に発売開始された、ルーマニアの国民的チョコレートです。パッケージにはルーマニアの国旗が刻印されておりルーマニアを代表するお菓子の一つでした。

しかし冷戦が終わって西側諸国の商品が流入するようになって以降、若者たちはROMではなくアメリカ産のチョコレートを食べるようになり、老人しかROMを食べない、そんな若者のROM離れに企業側は悩んでいました。売り上げも減少する一方で、ROMはなんとか状況を打開するために2011年、大きな賭けに出ます。

なんと「アメリカ色に染まってしまおう」というコンセプトのもと、ROMはパッケージをアメリカの星条旗に一新します。CMでは星条旗に染まったROMチョコレートが紹介され、CMに登場する男性もルーマニア語ではなく英語を話し続けます。実際にスーパーには、星条旗パッケージのROMが陳列され、ルーマニア国旗のROMは姿を消します。

これが国民の反響を呼びます。大人たちだけでなく、今までROMチョコレートを食べていなかった若者たちまでもがROMのアメリカ化に反対し、その反対運動は瞬く間にSNS上で広がり、路上でROMの星条旗反対運動といったデモ行進が起きる事態にまで発展します。

そうです、ROMは敢えてパッケージを星条旗にすることで、ルーマニア国民の愛国心を爆発させる炎上マーケティングを行ったのです。

ROMは一連の騒動の後、「ROMチョコレートのアメリカ化はほんのジョークだった。みんなの愛国心を確認出来て良かった」という内容のCMを流し、パッケージを再びルーマニア国旗に戻しました。すると以前では想像できないくらいROMチョコレートが爆発的に売れ、なんとスニッカーズを抜かしてルーマニア国内でチョコレート部門売り上げ1位に躍り出たそうです。

他にもFacebookのファンが4日間で2万人増えたり、SNSを活用したことで広告費が30万ユーロも浮いたりと、ROMの炎上商法は見事に成功しました。ちなみに星条旗パッケージのROMも、幻のパッケージになってしまうことから、コレクターたちが爆買いして売り切れたそうです。

国中を巻き込んだROMの炎上商法、綱渡りのような一歩間違えば危ないやり方ですが、時にはこのようにハイリスクハイリターンな勝負も必要なのでしょうね。

2–2:サントリービール「こっくうーん♡」

昨年炎上しました、サントリーの新商品「頂(いただき)」というビールのCMです。何が炎上したのかというと、このCMの内容に対して「内容が卑猥だ」という声と、「そんなの考えすぎだろう」という声があり賛否両論の反響を引き起こしました。

具体的なCMの内容としては、CMは全部で6編で、男性が出張で北海道・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡の6県の美女達それぞれと、居酒屋で刺し飲みをするというものです。まあビールのコマーシャルなので、居酒屋で美女と飲むという設定自体に違和感はないのですが、それぞれの県の美女はCMの終盤で男性からサントリーのビール「頂」をもらい、一杯飲んで「こっくうーん♡」と言うのです。

そしてこの、「こっくうーん♡」から何か卑猥なものを連想した方が多かったみたいで、SNS上ではサントリーのこのCMに対して「下品だ」という声が殺到し、公開翌日にサントリーはこれらCMの配信を中止しました。ただこれらのCMをばっちりと保存したユーザーもおり、Youtube上では現在も視聴することができます。

さて、実際にサントリーが卑猥さを意識してCMを作ったのかどうかは、実際は分かりません。「こっくうーん♡」が卑猥と言われれば確かになんか卑猥な気もしてきますが、何の先入観もなくこれらのCMを見た場合、少なくとも私の場合は特に下品には感じないと思います。むしろこれらを「下品」と訴えた人こそ、想像力が豊かというか、言葉を選ばずに言えば「変態」だと思います。

兎にも角にも炎上してしまったサントリーですが、CMがこうして話題になり注目を浴びたことで、結果として新商品「頂」を世間に知ってもらうという目標は達成できたようです。つまり炎上はしたものの、一応サントリーの炎上マーケティングは成功したと言って良いでしょう。

うーん、となるとやっぱり意図的に、「卑猥だ」という人が出てくる可能性があるコンテンツを作ったということなんですかね。

2–3:渋谷「フリーおっぱい」

つい先日の出来事なので、記憶に新しい方も多いでしょう。しかもタイトルがタイトルですからね(笑)

渋谷フリーおっぱい事件は、バニーガール姿の女子高生(16)が「フリーおっぱい」と書かれたスケッチブックを掲げて、通行人約20人に胸を触らせていたところ警視庁渋谷署員が発見し、迷惑防止条例で胸を触らせていた女子高生と、撮影部隊であった男子高校生(18)と会社員(23)の3人が書類送検された事件です。

さて、ここまで聞けば悪ふざけの過ぎた事件としか思わないのですが、実はこの3人は単なる変態ではなく目的を持っていました。

そう、3人はユーチューバーなのです。ユーチューバーとは、YouTube上に動画をアップロードして再生回数に応じて広告収入を得ている人達のことを指しますが、どうやら彼女たちはいかにも炎上しそうな動画を撮って、それで再生回数を稼ごうとしていたようです。

日本のトップユーチューバーHIKAKIN氏

確かに「女子高生が渋谷で胸を触らせている」というテーマは、再生してみたくなる人、非難する人、両者ともに数が多くなりそうな内容です。間違いなく再生回数は増えますし、間違いなく炎上します。

ただ、やっぱり公的秩序を乱してしまうコンテンツはだめですね。実際に彼女たちは書類送検されてしまい、Youtubeに動画を投稿するどころではなくなっています。

典型的な炎上マーケティングの失敗例として、今回挙げさせていただきました。まあマーケティングの知識がある方なら、ここまで大胆に失敗することはないと思いますが、炎上マーケティングはこういう形で失敗することもあると肝に銘じておきましょう。

3.メリットとリスク

3–1:メリット

・簡単にバズらせることができる

これが一番のメリットですね。健全な方法でバズマーケティングやバイラルマーケティングを行うのは、非常に困難です。しかし炎上させるという行為自体は難しいことではないので、炎上をプラスの方向につなげられるのであれば、炎上マーケティングは最強のバズマーケティング・バイラルマーケティングとなります。

3–2:リスク

・ブランドに傷がつく可能性がある

炎上というのは、基本的にはマイナスな出来事です。つまりマイナスな出来事を引き起こした企業には自然と、「マイナス」のレッテルが張られてしまいます。

ROMチョコレートのように炎上マーケティングでブランド力を高められることは非常に稀で、基本的にはサントリーのように少なからずブランドに傷がつきます。

傷が小さい分にはいいですが、大きすぎると取り返しのつかないことになるでしょう。

・法に触れたり裁判沙汰になることがある

行き過ぎた炎上商法は、先ほどのフリーおっぱい事件のように書類送検されたり、最悪の場合逮捕されることもあるでしょう。

またコンテンツの内容が差別や誹謗中傷にあたると判断された場合、訴えられて裁判沙汰になることも考えられます。

こうなってしまうともう、マーケティングどころではありません。究極ビジネスそのものが終わりを迎えてしまうでしょう。

・社会から孤立する可能性がある

「人の噂も七十五日」ということわざがありますが、インターネット社会の現代ではこのことわざは通用しません。一度炎上すると、炎上した企業や個人はいつまでもネット上に晒され続けます。

最近は炎上した人物の本名や年齢、住所までもが特定されて、インターネット上に無断で公開されることもしばしばあります。こうなってしまうと社会的に終わったようなもので、最悪友人や家族に見放されて孤立する状況も十分に考えられます。

もうマーケティングの枠を超えて、その人の人生に関わる大きな問題になってしまいます。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。炎上マーケティングは基本的にリスクの方が多く、成功することもまた難しいマーケティング手法です。

ただROMのように一発逆転した企業もあるので、もうどうしようもない、他に策は尽きたというどん底のような状況にいるときに、一か八かの大勝負に出るという意味合いで使ってみても良いのではないでしょうか。

ただ基本的には、健全な方法でマーケティングを行ったほうが良いと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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