ソーシャルメディアの"バイラル"を生み出す仕組みを理解する

2023年8月4日 4 min read

こんにちは、Statusbrewです。

バズるとは?」をテーマにしたStatusbrewが2016年に初めて書いたブログは最もなアクセス数を今なお記録していますが、あれから7年以上経ちすでに日本では"バズる"という言葉は十分に浸透しています。

英語では「私の投稿がバズった」をGo on viralと表現し、どちらかというと影響力を生み出した、何かを生み出したというニュアンスも含まれがちです。

このバイラルは何が起因で起こりやすいか?何が作用するのか?

を理解した上で、どんな意味があるのか、「バズる」はあなたのブランド認知に役立つのか?についても切り込みたいと思います。

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バイラルとはいわば「特定の一時的に発生したコミュニティに参加する、乗っかる」という説明も正しいのではないでしょうか。ですのでParticipate in viral communicationと表示されていることもあり、逆手をとって「どうしたら人はこの波に乗るのか?」から考えていきます。

引用:Exploring users' motivations to participate in viral communication on social media

  1. エンターテイメント、楽しさ: 多くのユーザーは、第一の感情で「面白い」と感じるため、単純にバイラルコミュニケーションに参加します。バイラルのミーム、冗談、チャレンジする動画は、しばしば笑いや気晴らしを提供し、面白さを大喜利などで共有し合います。
  2. 社会的つながりを求める: バイラルコミュニケーションに参加することで、ユーザーは他人とのつながりを求めます。バイラルコンテンツを共有したり、関与したりすることで、ユーザーは共有の社会体験に参加したり、大きな会話の一部になったり、コミュニティに関与したりできます。
  3. 自己表現: バイラルコミュニケーションは自己表現のプラットフォームとなることができます。特定の投稿やコンテンツを共有することで、ユーザーは自分のアイデンティティ、価値観、意見をソーシャルネットワークに伝えることができます。
  4. 情報の普及: ユーザーの中には、重要または有用な情報を含むと信じてバイラルコンテンツを共有する人もいます。これにはニュース記事から有益なヒントや洞察までが含まれます。バイラルコミュニケーションは、特定の問題や原因についての認識を広める強力なツールとなることができます。
  5. 社会的地位と影響力: バイラルコミュニケーションに参加することは、ユーザーが社会的地位や影響力を得るのを助けることもできます。例えば、ソーシャルネットワーク内で最初にバイラルのメームやトレンドを共有することは、ユーザーの「情報通」の評判を高めることができます。同様に、バイラルになるコンテンツを作成すると、ソーシャルメディア上のユーザーの視認性と影響力が大幅に増加する可能性があります。
  6. 原因を支援する: バイラルコミュニケーションは、また、主義主張や特定の原因や運動を支援するための意欲によっても推進されることがあります。これは社会的または政治的な運動に特に一般的で、バイラルのハッシュタグや投稿が認識度を高め、支援を動員し、変化を求める圧力をかけるのに役立ちます。
  7. 感情的な解放: ときには、ユーザーがバイラルコミュニケーションに参加するのは、感情的な解放やカタルシスの形であることもあります。共通のフラストレーションや恐怖についての投稿を共有することで、ユーザーは聞こえて理解されていると感じることができます。
  8. グループアイデンティティへの参加: バイラルのトレンドは、しばしば一種のグループアイデンティティを表現するか、またはそれを作り出します。ユーザーは、これらのトレンドに参加することで、特定のグループやサブカルチャーと自分自身を関連付けたり、これらのコミュニティへのメンバーシップを示唆したりすることができます。

バイラルコンテンツに影響を与える主要な要素

あなたのブランドの投稿に大きな影響力を持たせて人を巻き込むにはどのような要素があるのでしょうか?

関連性と共感性: 現在の出来事、文化のトレンド、または広く共有されている感情や経験に対応するコンテンツは、バイラルになり、より長くバイラル状態を維持する可能性が高くなります。

感情: 強い感情的反応を引き起こすコンテンツ、ポジティブなもの(例:楽しみや畏敬)やネガティブなもの(例:怒りや恐怖)は、より共有される可能性が高く、バイラルになる可能性があります。

新奇性: ユニークで驚くべき、または革新的なコンテンツは、より多くの注目と共有を集め、バイラル化の可能性を高める傾向があります。

シンプルでアクセスしやすい: 理解して取り組みやすいコンテンツは、より共有される可能性が高くなります。これには、ミーム、短いビデオ、簡潔な投稿など、素早く消費できるコンテンツが含まれます。

ソーシャルカレンシー: 人々が共有するときによい印象を与えるか、彼らが適合するのを助けるコンテンツは、バイラル化する可能性が高くなります。

インフルエンサーの共有: 人気のあるソーシャルメディアの人物やインフルエンサーがコンテンツを共有すると、そのリーチとバイラル化の速度が大幅に増加します。

実用的な価値: 実用的なアドバイスや価値を提供するコンテンツは、よく共有され、バイラル化する可能性が高くなります。」

例→ライフハック

プラットフォームのアルゴリズム: ソーシャルメディアプラットフォームは、ユーザーに表示するコンテンツを決定するアルゴリズムを使用します。これらのアルゴリズムは、高いエンゲージメントを持つコンテンツを優先することが多く、バイラルコンテンツの視認性を向上させることができます。

バイラルコンテンツの寿命から考える

もはやユーザーの心理に近いものがありますが、ではこのバイラルは長時間保たれるものなのでしょうか?

バイラルコンテンツは一般的に2013年〜本日までも「およそ数時間」と盛り上がりの最終地点が見積もられています。

またバイラルコンテンツでなくとも、ほとんどのソーシャルメディアの1つの投稿の寿命は

  • Twitter: 15分
  • TikTok: バイラルにならなければ即
  • Facebook: 6時間
  • Instagram: 48時間
  • LinkedIn: 24時間
  • YouTube: 20日
  • Pinterest: 4ヶ月
  • ブログ投稿: 1年以上

とされています。

最後にソーシャルではないですがブログ投稿と記載させていただきました。これがいわばStatusbrewという1企業が大切にしていることですが、「更新され続ける貴重な知見は会社の資産になる」という大きな名目もあり、本ブログを長きにわたって2015年から運営しています。

一過性のコンテンツではなくユーザー様が欲しい情報、欲しい答えを持っているという価値こそが長く続くものであり、ソーシャルにも「長期的に大事にされるコンテンツ」が大事なのではと思います。

例えばYouTubeのコメント欄に「好きすぎて定期的に見にきちゃいます」っていうコメントは見たことはありませんか?オーディエンスに何度も愛される、役に立つと思われるものを作ることは多くのコンテンツの海の中で「数で勝負」している最中は難しいものもあります。

ですが必ずしも「一度バイラルになる」=会社としてマーケティング資産になるわけではない、ということを今回のブログにて伝えさせていただきました。

Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディアモデレーション&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ岐阜県出身。少女漫画と文学作品、ワインとインドが好きです。

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