ツールを導入してもなぜ続かない?今こそソーシャルメディアマネージャーマネージャーの出番!
こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。
ソーシャルメディアを運用する企業・ブランド様、もしくはクライアントに代わってソーシャルメディアを扱う代理店様の中には、業務を効率化するためにツールを導入したものの使いこなせていないという悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
- ツールの活用が続かない
- シンプルかつ、一つの課題解決に特化したツールを選んでしまう
- そのシンプルなツールがどんどん増えて結局ログインなどが複雑になる
事実、メタップスの調査によると、多くの企業がSaaSを導入して使わずに資金を浪費してしまっています。
どうすれば、SaaSなどのツールを無駄にすることなく使いこなすことが出来るのでしょうか?
結論から言ってしまうと、これらの悩みを解決するスーパーヒーローがソーシャルメディアマネージャーあるいはツールの運用マネージャーです。
なぜツールが使われなくなるのか?ソーシャルメディアマネージャーの役割は何か?について解説します。
なぜツールが使われなくなるのか?
ツールが使われなくなる原因はシンプルで「使い方が分からない」「使うメリットを感じない」からでしょう。しかし、「なぜ使い方が分からないのか」まで考えると以下の原因が背後にはあります。
- ツールの用途、方針が不明確
どんな目的でツールを導入したのか、どの業務を効率化するために導入したのか、誰が使うのかが不明確だと、使い続けるメリットを感じられずに従来の方法に戻ってしまい失敗に終わる可能性が高くなります。
ほとんどの企業が、ツール導入の目的を業務効率化あるいはコスト削減のためと応えています。
では、その業務効率化は、何を成し遂げれば効率化になるのか?ワークフローのどの部分をツールを使って効率化するのか?どのようにコストを削減するのか?
これらを数値化、言語化する必要があります。
- ツールの教育やサポートの不足
ツールの使い方が適切に共有されていなかったら、使い方が分かるはずもありません。
また、使っている内に疑問が浮かんでも、質問できる人がいなければ分からないことが増えていき、どんどんとツールを使うのが億劫になっていってしまうでしょう。
- ユーザーとシステム構築者間のギャップ
実際のワークフローにそぐわないツールを導入しても遠回りになってしまいます。現場とシステムの構築部門の間で情報の交換がスムーズに行われていないと、ツールをうまく活用することは出来ません。
これらを解決するために、ツールと現場の懸け橋となり、チームに方向性を示すことが出来る人が求められます。
「代理店、コンサルを雇う」という選択肢もありますが、自社でマネージャーを創出した方が長期的に成果を上げられます。自走するためには、ツールの運用マネージャー、あるいはソーシャルメディアに関してより広く統括を行うソーシャルメディアマネージャーが必要となります。
ソーシャルメディアマネージャーが必要!
ツールの運用だけを統括する、運用マネージャーを立てることでもこれらの解決には繋がりますが、ソーシャルメディアマーケティングについて日々コンテンツを発信しているメディアとしては、「ソーシャルメディアマネージャー」という役職を作ることを提案します。
ソーシャルメディアマネージャーはコンテンツの企画から投稿のスケジュール、エンゲージメントの管理とレポートの監視まですべてを行うスペシャリストです。
- 特定の国地域におけるソーシャルメディアでの立ち位置を戦略化し、実行する
- ソーシャルメディアアカウントの運営とガバナンス構築の強化
- ソーシャルメディアの戦略管理と社内の人物、社外のステークホルダー(コラボレーション先)との関係性を維持する
- コンテンツのレビュー、成果の測定、パフォーマンスレポートの作成
- ソーシャルメディアを通じて、顧客の声を聞き、エンゲージする
- ソーシャルメディアによる認知度向上、トラフィック増加、リードジェネレーションなどのKPI達成に注力する
つまり、ひとつのコンテンツがあるとしたらソーシャルメディアマネージャーが関わるのは、
発信前
- コンテンツ戦略を設定
- カレンダーの管理
- コンテンツ発信前のリスク回避
発信中
- コメント監視
- エスカレーション
発信後
- レポーティング
- 各部門に共有・フィードバック
- 戦略の調整
となります。
これらの仕事を行うために、ソーシャルメディアマネージャーは、マーケティング部門、営業部門、カスタマーサービス部門など、各方面と関わりそれぞれの部門を繋ぎ統括をする必要があります。また、ソーシャルメディアマネージャーは、チームが進むべき方向を具体的に数値化・言語化することが求められます。
そのため、ツール運用のマネジメントに最適な人物といえるでしょう。
なぜなら、ソーシャルメディアマネージャーは、それぞれのワークフローを理解しているため、タスクの自動化・データ分析・戦略の最適化を支援することができるからです。
また、トップが一人いることで、決定を下す人、分からないことを相談できる人となり、物事が円滑に動きだすためでもあります。
ツールを運用するために必要なこと・ソーシャルメディアマネージャーがやるべきことは、
- 目標設定
- 達成するまでの道筋を立てる
- 継続的にレビュー
- 必要な機能を把握
- ツールで置き換えたい無駄な/手間の掛かる作業を把握
することです。
ツールの設計、運用の具体例を見てみましょう。
Statusbrewのお客様で全国に400店舗以上あるフィットネス企業様のケースでは、目標設定が明確であったため、導入がとてもスムーズに進みました。
- 目標設定
彼らの目標は
- 社内が起因で起こりうる投稿のリスクを最小限に抑える
- 重要なメッセージを逃さないようなカスタマーサポートを設計する
でした。
このように明確なゴールを設定し、そのために「どんな体制を築くことが目標に近づけるか?」を考えることで実際の評価、条件、アクションにツールを通して落とし込むことができます。
- ワークフロー・体制を設計
例えば、
- 社内が起因で起こりうる投稿のリスクを最小限に抑える
という目標に対しては、リスクを定義したのち、リスクを軽減するための実際のアクションを決定しました。「コンテンツを問答無用で公開却下する」「コンテンツを専門部署に承認フローに回す」などが、アクションの例です。
そのアクションをStatusbrewで自動化するために、リスクの大きさと解決するための優先順位をあらかじめ決定しました。
また、
- 重要なメッセージを逃さないようなカスタマーサポートを設計する
という目標に対しては、
オーディエンスから受け取るコメントやDMを残らずにチケット化することで、それを実現しました。
チケット化することにより、「サポートが必要なチケットを最もAccountableなメンバーにアサイン、通知し解決時間を短くする」「ネガティブなコメントが寄せられた場合は直ちに最も社外的なブランディングやポリシーに熟知している広報部に相談する」体制を構築しました。
- どこを自動化できるか考える
明確なゴールを立て、それを実現するための道筋が見えたら、それをいかに効率よく行うかを次に考えます。
上の例では、リスクを含む投稿に含まれているであろう単語をトリガーにそれぞれのアクションを自動で行うようにしたり、ネガティブなコメントをトリガーにチケットのアサインを自動で行ったりするようにStatusbrewツールをワークフローに取り入れました。
- ツールを導入
目標設定、解決策の設計、自動化ワークフローが出来たら、実際にツールをセットアップします。
- 実験的に使う
最初から全体的に使うのではなく、フェイクのアカウントなどを使い、実際に動くのかどうか確認してから徐々に取り入れていきましょう。
- 改善
一度で、完璧な自動化ワークフローが設計できることはなく、使いながら改善していくことがツールを使いこなすカギになるでしょう。
例えば、「サポートが必要なチケットを最もAccountableなメンバーにアサイン、通知する」というアクションで、メールでメンバーにアサインの通知を送るワークフローを最初に設計したとします。しかし、その他のメールに紛れてしまい通知に気が付かないという問題が発生しました。その際に、メンバーからのフィードバックを受けて、SlackやTeamsでの通知に変えるなどして、改善することが求められます。
- 周囲に共有
常にアップデートされた最新の情報を関係者に共有します。
責任と役割の明確化
そもそもソーシャルメディアマーケティングに限らず、何らかのSaaSを導入した際に、運用者=IT担当者になりがちです。
目標に達成するために、本来誰がフローに関わるべきなのか、定着するまで教育を進めるべきなのか、から考えることをスタートさせましょう。
StatusbrewではIT担当者、ではなく、先程から繰り返しているソーシャルメディアマネージャーという役割の先頭への配置を強く推奨します。
広くワークフローを理解していて、ソーシャルメディアを統括し、方針を示すことが人物こそがソーシャルメディアマネージャーです。
ソーシャルメディアマネージャーが全てを把握していて、細部まで統括出来れば最高ですが、チームが大きくなれば無理が生じてきます。
そこで、出てくる考え方がRACIです。プロジェクト管理におけるメソッドで、チームでプロジェクトを開始する場合に、そのチーム内の個々にアサインされる役割を定義し、責任の所在や実際のタスクの実行者を可視化するものです。
RACIはそのチーム内に存在する4つの役割の頭文字を取ったものです。
Responsible(責任者:各々のタスクの実行に責任を持つの実行責任者)
Accountable(説明責任者:プロジェクトやタスクの進行状況を把握&説明する)
Consulted (相談先:実行責任者がタスクを円滑に進めるために相談窓口として存在する)
Informed (報告先: この人は情報が漏れたらNG、進捗や課題を報告する人)
このRACIを、どの役割の人間に、どのプロジェクトのアクティビティにアサインしていくか?を決めるものが、RACI Matrixと呼ばれるものです。
ソーシャルメディア上で行うからには、ソーシャルチャネルごとの対応と配置にも気を配る必要があります。大規模な企業様ならソーシャルメディアマネージャーをトップに置き、その下にInstagram、Facebook、Twitterのチームリーダーを置くのも一つの手です。
また、どのプラットフォームをメインで使っているかでも人員の配置の仕方は異なってきます。例えばX/Twitterにサポートアカウントを配置している場合は、そこに力を入れて体制を構築するはずです。
最終責任者はソーシャルメディアマネージャーだとして、ソーシャルチャネルごとに、顧客からのクエリを上司や適切な担当者にエスカレーションするのはどの部隊で、かつ報告者は誰にしますか?いきなりソーシャルメディアマネージャーに全てを報告しますか?
これらを、RACIの責任者、報告先、相談先を当てはめていきましょう。
まとめ
ツールを使いこなせないといった課題の背後には、ツールの用途や方針が不明確であったり、ツールの教育やサポート、部門間の連携が不足している要因があります。
そこで、ツールを継続的かつ効果的に活用するためには、ソーシャルメディアマネージャーと呼ばれる専門家の存在が必要になってきます。
ソーシャルメディアマネージャーを立てることによって、
- ツールの目的の明確化
- 教育とサポート
- ユーザーとシステムの連携
- 戦略的な統括
- ツールおよびワークフローの調整と改善
が効果的に行えるようになるためです。
そして、ソーシャルメディアマネージャーを中心にソーシャルメディアチームを形成する際に、各メンバーの責任と役割を明確にするために、RACIを活用することが有益です。RACIを用いることで、誰が何に責任を持ち、どのように連携すべきかが分かりやすくなります。
目まぐるしく変わり続けるソーシャルメディアで、存在感を発揮したければスピード感が命となってきます。自動化のツールを取り入れることは、それを大きく助けてくれるでしょう。しかし、宝の持ち腐れになっていてはもったいないです。ソーシャルメディアマネージャーを立てて、ツールを最大限活用使用しましょう。