その言葉の意味、本当にわかっていますか?意味が曖昧なマーケティング・ビジネス用語5選!
皆さんこんにちは!突然ですが、タイトルの通り今日は意味が曖昧になりがちなマーケティング・ビジネス用語について、正しい意味を解説していきたいと思います。
近年IT化が進み、インターネットの発達とSNSの普及によりカタカナ言葉、いわゆる横文字を見聞きする機会が多くなりました。もちろんインターネット技術そのものが海外由来なので、カタカナ言葉が増えるのは当然なのですが、中には意味を正しく理解せず使っている人や混同している人も度々見受けられます。
まあ言葉の意味なんて無常で、時代と共に変化していくのが普通ですから、本来の意味からずれた意味が数十年後には正しい意味に成りあがることもざらにあります。
まあただですね、仕事をする時とかに正しい意味を理解せずに使っていると、話し相手との間で理解や認識にずれが生じて、仕事に影響を及ぼすような誤解が生まれる可能性もあるわけですよ。それに正しい意味も分からず横文字ばっか並べてたら、「意識高い系」なんて揶揄される可能性もありますし、恥ずかしいですよね?
ということで今回は、正しくその違いが認識されていなそうな言葉のペアを5つ選びました!1つずつ解説していくので、どうか最後までお付き合いください。
目次
1.ウェブマーケティングVSデジタルマーケティング
2.ソーシャルメディアVSソーシャル・ネットワーキング・サービス
3.ベンチャー企業VSスタートアップ企業
4.バズマーケティングVSバイラルマーケティング
5.インフルエンサーVSインスタグラマー
1.ウェブマーケティングVSデジタルマーケティング
マーケティングの世界では、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。とくに企業のマーケティング担当者の方、あるいはSNS担当の方はこれらの言葉から離れることはできませんよね。かく言う私も、日々このブログを書くためにリサーチをする中で、これら2つの言葉に出会わない日はありません。
さて本題に入りますが、ウェブマーケティングとデジタルマーケティングは一見同じ意味の言葉に見えるので、正直どちらを使っても良いのでは?と思う方もいると思いますが、実は2つの言葉の間には明確な違いがあります。
まずはウェブマーケティングの定義ですが、名前からも分かる通り「ウェブサイト」を基本軸にして進めるマーケティングのことを指します。
具体的には、
・ウェブサイトへのアクセスを増やすためのSEO対策
・ウェブサイト内での商品購入・サービスの契約を成立させるための施策
・サイト動画やブログなどウェブサイト内のコンテンツの充実
といったことを行うのがウェブマーケティングです。
ウェブサイトが売り上げに直結しており、とにかくウェブサイトが最重要項目に来る事業は、当然ウェブマーケティングを行います。例えばAmazonや楽天のようなネットショッピング事業は、ウェブサイト上での売り上げ=企業の収益になるので、当然ながらウェブマーケティングに力を入れます。
次にデジタルマーケティングですが、これはウェブマーケティングよりも範囲が広く、その名の通りデジタルなものを活用したマーケティングは、全てデジタルマーケティングに含まれます。
具体的には
・メールマガジンの配信
・SNSの活用
・ブログやYouTubeなどを活用したコンテンツマーケティング
・データ分析
・Googleアドワーズなどのネット広告
・ウェブサイトを活用したマーケティング
などなど、これら全てデジタルマーケティングです。
そしてお気づきかと思いますが、デジタルマーケティングはウェブマーケティングを包括しており、ウェブマーケティングはデジタルマーケティングの一部なのです。
以上が、デジタルマーケティングとウェブマーケティングの違いです。まあ全く異なる言葉というよりは、言葉が指す範囲が違うという感じですね。こうやって比較してみると、なんかどっちを使っても大丈夫そうな気がしますが、SNSなども含めて広い意味でのマーケティングの話をしたいときは、デジタルマーケティングという言葉を使ったほうが良さそうです。
2.ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
VSソーシャルメディア
これもまた言葉自体が似ているゆえに、なんかどっちも同じ意味に見えてしまいそうな用語です。とはいってもこれも、デジタルマーケティングとウェブマーケティングと同じような関係の言葉なので、それを踏まえていれば覚えやすいでしょう。
まずはソーシャルネットワーキングサービス、通称SNSの定義からです。SNSは個人間の「ネットワーキング」、つまり繋がりを重視しています。一旦、IT用語辞典の定義を確認してみましょう。
注目すべきは「会員制のオンラインサービス」という点です。そう、SNSって会員登録しないと使えないんですよ、そういえば。Twitter, Facebook, Instagram、どれも自分のアカウントを作らないとまず参加できないですよね?
さらにさらに、SNS上で直接メッセージをやり取りするときって、友達登録をしているユーザー同士じゃないとできないですよね?LINEとかFacebookのメッセンジャーとか。まあ友達登録をしていない人に一方的にメッセージを送りつけることはできますが、送られてきた側の人がそのメッセージを承認したり、友達にならなければやり取りはできません。
このように会員制かつ個人間のコミュニケーションを重視しているのが、ソーシャルネットワーキングサービス、つまりSNSなのです。
次にソーシャルメディアについてですが、これは双方向的なコミュニケーションを取れるメディア全般を指します。テレビやラジオ、新聞など従来のメディアは情報を発信する一方で、情報の受け取り側はただ情報を受け取るだけで、自分から情報を発信することはできませんでした。
しかし読者がコメントを残せる「ブログ」や、視聴者がコメントできる「YouTube」や「ニコニコ動画」、ユーザー達がスレに対してレスをしていくことで成り立つ「2ちゃんねる」など、2000年代に入ってから情報発信者と受信者の双方向的コミュニケーションが可能なサービスが次々に登場しました。ここでまた、IT用語辞典の定義を確認してみましょう。
はい、お気づきかと思いますが、実はSNSはソーシャルメディアに含まれているんですよ。確かにSNSは、「投稿」という形で情報発信し、「いいね」「コメント」と言った形で情報受信者もアクションを起こせますからね。双方向的なコミュニケーションですね。ただ会員じゃないとサービスを利用できない点で、ブログやYouTubeよりも閉鎖的ですよね。
ということで、SNSはソーシャルメディアという範疇の中に含まれる、1つの要素であることが分かりました。ソーシャルメディアマーケティングやSNSマーケティングという言葉を使う機会が多いと思いますが、ブログなど多岐にわたるプラットフォームの話をする時は前者を、SNSに限定した話をする時は後者、と言った具合に使い分けるといいでしょう。
3.ベンチャー企業VSスタートアップ企業
恐らくこれが、本来の意味をちゃんと理解されていない用語ナンバーワンではないでしょうか?
21世紀に入ってIT系の企業が急速に増え始め、特に少数精鋭のIT企業がベンチャー企業を名乗り、またそう呼ばれるようになりました。さらに最近はスタートアップ企業という名称も登場し、多くの人は立ち上げたばかりの会社を指す言葉だと思っていたり、あるいはベンチャー企業と同義であると勘違いしているように思われます。もっと言えば、ベンチャー企業が何なのかを説明できる人も、少ないのではないでしょうか?例えばベンチャー企業と中小企業は何が違うのか。
中小企業との違いも明らかにしながら、この項ではベンチャー企業とスタートアップ企業の違いを明確に説明していきます。
まず中小企業ですが、官公庁より以下のように定義されております。
写真に書いてある通りですが、中小企業は従業員数と資本金の規模で法律的に明確な定義がなされているわけです。
これに対してベンチャー企業は、従業員数や資本金の額で定義されません。
ベンチャー企業は、大企業や中小企業では行うことが難しい隙間産業や、最先端の革新技術を用いて既存の市場に新しい価値を生み出そうとする企業で、比較的歴史の浅い企業のことを指す場合が多いです。
そして既存の市場に新たな価値を生み出す場合は、どうしてもIT関連のものが多くなります。それ故に歴史の浅いIT企業は、ベンチャー企業と呼ばれることが多いです。
例えばブログサービスという既存の市場に、「アメーバブログ」というブロガー間のコミュニケーションという新たな価値を生み出した「サイバーエージェント」、料理のレシピをネット上で共有するという新たな価値を生み出した「クックパッド」、ゲーム市場において「モバゲー」などオンラインゲームという新たな形を発展させた「DeNA」などがベンチャー企業にあたります。
中小企業の場合は規模が小さいだけで何十年も歴史のある会社がいくつもあり、また既存の市場で既存の商品・サービスを提供し続けるので、このあたりがベンチャーとの違いです。
最後はスタートアップ企業ですが、これの本来の意味は「新たな市場を開拓し、社会に貢献する企業」のことを指します。この「新たな市場開拓」がポイントです。ゼロの状態から何か新しいものを生み出すのが、スタートアップ企業なんですよ。ここがベンチャー企業との大きな違いです。なぜならベンチャーは既存の市場の中で、新しいものを生み出すだけですから。スタートアップは市場そのものを作ります。
具体例を挙げますと、開発エンジンという全く新しい市場を生み出した「Google」、「ファミコン」を世に出し、家庭用テレビゲーム機という市場を生み出した「任天堂」、インターネット上で動画を共有し閲覧するという概念を生み出した「YouTube」(2006年にGoogleが買収)などがスタートアップ企業です。
このように0を1にするのがスタートアップ企業なのです。そう考えると、本当の意味でのスタートアップ企業というのは、非常に数が少ないと思います。実際、今まで誰も思いつかなかったものを作るって、一番大変なことですから。「自分が思いついたものは、たいてい過去に他の誰かが思いついている」なんてよく言いますし。
余談ですが、ベンチャー企業というのは和製英語で、英語ではベンチャー企業も中小企業も「Small Business」とまとめてしまいます。スタートアップは「Start up」で通じますが、意味は先ほど説明した通り新たな市場を作り出す会社です。
既存の市場の中で新しいものを作るのがベンチャー企業、市場そのものを新しく作るのがスタートアップ企業と覚えておきましょう!
4.バズマーケティングVSバイラルマーケティング
この2つは非常に似ている上に、定義の違いもわずかなものなのでマーケティング担当者でも正しく違いを把握していない場合があります。まあ正直どっちの言葉を使っても支障はそんなにないんですけど、せっかくなので正しい意味を学んでおきましょう!
ちなみにバズマーケティングとバイラルマーケティングの違いについては、以前私が記事を書いているので、そちらを読んでいただいてもかまいません。
共通点としては、どちらもコンテンツが口コミなどによって人々の間で話題になり、爆発的に広がることを指します。そして両者の違いを指摘するならば、バイラルはネット上で爆発的に拡散され広まることを指すのに対して、バズは場所を問わず口コミで広まって話題になることを指します。つまりインターネット上の出来事ではなく現実世界で拡散したことも、バズに含まれます。
言い換えれば、バイラルはバズに含まれているということです。ウェブマーケティングとデジタルマーケティング、ソーシャルメディアとSNSのような関係ですね。
5.インフルエンサーVSインスタグラマー
正直ここまで4項目を見てきた皆さんなら、もうお察しではないでしょうか?そうです、いわゆる「含まれている」系の用語です。それでは解説しますね。
インスタグラマーというのは、インスタグラム上で大きな影響力を持つ人々のことを指します。代表的なのは、日本一のフォロワー数を誇る渡辺直美さんや水原希子さんですね。もちろん有名人だけでなく一般人でもフォロワーを多く抱え、大きな影響力を持つ人々はインスタグラマーと呼ばれます。そして彼ら彼女らは、企業から商品のPRの依頼を受け、その報酬で生計を立てているわけです。
これに対してインフルエンサーというのは、インスタグラムに限らず影響力を持っている人のことを指します。それはフェイスブックやツイッターなどのSNS上のみならず、現実世界で影響力の大きい人のこともインフルエンサーと呼びます。
ここからは分かるように、インスタグラマーはインフルエンサーの1種に過ぎないのです。つまりインスタグラマーは、インフルエンサーに含まれているということになりますね。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。分かっているつもりで分かっていない用語も、結構あったのではないでしょうか?
特にベンチャー企業とスタートアップ企業は全く異なるものですので、正しく意味を理解しておきましょう。それ以外のもは、含む含まれるの関係なので覚えやすいと思います。
言葉の意味は無常です。ですから何十年後かには、これらの言葉の意味も変わってるかもしれません。常に「今」正しい意味を使えるようにしておきましょう。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。