人は「選択肢」があるとエンゲージする!Chatbot(チャットボット)と接客を考える
こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。
近年、ブランドは、会話型エンゲージメントのソリューションに注目しています。会話型エンゲージメントとはもっとカジュアルに表現すると「オンライン接客」「カスタマーサービス」ともいえるでしょう。
コロナウィルスの発生から3年、私たち消費者のブランドとの関わり方は急速に変化しています。私たち消費者はこれまでになく、「商品やサービスへのアクセスの良さ」を求めているのではないでしょうか?
さて、この世には「課題」と「解決」の2つの事象により成り立つことがほとんどです。
- お腹が空いた → すぐに食べたい → Uberで頼もう
- 歯が痛い → すぐにでも歯医者に行きたい → 病院の予約を取ろう
- 中国語を学びたい → 良い講師を探したい (海外にすぐに行けない) → オンラインで探そう
人はこの「お腹が空いたから空腹を満たしたい」「寒いのでそろそろ冬のコートが欲しい」のような「●●を解決したい」場合に、より早く、課題を解決してくれる企業のサービスや商品を無意識のうちに探し出します。
この「早く問題を解決したい、誰かに相談したい」ユーザーの深層心理にいち早く気づく企業が様々な方法でソーシャルメディアを含めた実直なカスタマーサービスでしょう。
そのカスタマーサービスや接客、顧客エンゲージを最も可能にしたものがChatbot(チャットボット)です。
下記のようなチャットボットは見たことはないでしょうか?今様々なビジネスのウェブサイトで右下に自動応答チャットが立ち上がることが多く見られます。
チャットボットは「会話デザイン」の一種です。企業ブランドと消費者の間のコミュニケーションをシュミレーションしながら発声されるプログラムです。
このチャットボットの素晴らしさ、使い方について完全ガイドにてお届けします。
1.数字で見る!Chatbot(チャットボット)の何がそんなに特別なの?
2.見込み顧客が少しでも"あなたの商品やサービスの購買"に対しての"迷い"が生まれた時こそ勝負
2.Chatbot(チャットボット)の仕組みと種類
3.LINEユーザーをセグメント化してファネルに落とし込もう
4.LINEとその他のソーシャルチャネルを同時に管理する最大のメリット
1.返答率が40%も上がる!?Chatbot(チャットボット)の何がそんなに特別なの?
Chatbotとは、人間同士の会話を再現するプログラムです。マーケティングキャンペーンメッセージの送信や顧客からの情報収集にチャットボットを利用したいとお考えなら、最適な選択と言えるかもしれません。チャットボットは、電子メールのような他のコミュニケーション形態と比較して、かなり高い応答率を持っています。
ある調査によると、どの業界でも平均してチャットボットのメッセージの応答率は35~40%と高くなると言われています。
私たちStatusbrewもソーシャルメディア管理ツールというソフトウェアを販売するにあたり、ユーザーがアカウントを作成してからのユーザーのアクティビティが上がらずに打ち出した施策の一つがチャットボットです。
私たちのようなソフトウェアサービスを売るビジネスだけではなく、どのビジネスもUser Intent(ユーザーの意向)がわからないことには始まりません。
ユーザーは何がしたくて自分たちのビジネスを選ぼうとしているのか?
どんなことに最も関心があり、何を解決したいと願っているのか?
これらの情報を引き出すには、こちらからアクションを起こす必要があります。そしてユーザーに、「あなたは何がしたいですか?」と言っても、「What」や「How」を聞かれると具体性を持って答えないといけないため、ユーザーはそれだけで口を閉じてしまいます。
人は中に抱えている問題点を整理したり言語化できる状況にないことの方が多いため、Yes/Noで答えられる質問、またはA、B、Cの中でどれに当てはまる?という質問の方が圧倒的に答えやすく、自分の抱える課題を解決しに行きやすいです。
先ほどのStatusbrewが提示しているチャットボットではエンゲージメント率が13%近くと、以前はサインアップしてからのユーザーからの反応がわずか2%に満たなかったのですが、6倍近くもUPしました。
チャットボットは、より少ない人的介入で、顧客との対話を強化し、エンゲージすることができる数少ないツールの一つで今後10年間でどのビジネスでも必須となると言われています。
キーワードを認識し、それに応じて応答するか、エンドユーザーがオプションから選択し、会話を誘導することができます。
2.見込み顧客が少しでも"あなたの商品やサービスの購買"に対しての"迷い"が生まれた時こそ勝負
消費者は基本的に無差別です。この世には無数の商品、サービスが存在するため、また数多くの商品やブランドを同時に眺めていると目に留まるのは一瞬、この瞬間にも他の商品を手に取られることは当然のごとくあります。
カート (買い物カゴ)放棄はオンラインビジネスが直面している最大の課題の1つであり、世界平均で約80%の割合と言われています。
- 価格が思ったよりも高く予算に合わない のような理由がダントツ1位のため、そんな時にもChatbotが役立ちます。
買い物途中などのプロセスで発生する可能性のある質問をあらかじめ設定しておくことで、消費者があなたのウェブサイトから離脱する機会を減らします。
またもう一つ考えておきたい、意識しておきたい点があります。
繰り返しになりますが基本的に消費者は「一瞬の感情」でいくらでも他の対象に目が向きます。その心理に入り込みましょう。
「あなたの見込み顧客が少しでも"あなたの商品やサービスの購買"に対しての"迷い"が生まれた時」こそ、その「迷い」を予測した質問の投げかけをチャットボットですることが理想とされます。
良い質問はユーザーからの良い回答、つまり本当の意図をつかみやすくします。
でもChatbotって、「自動会話」を導くものなのに、良い質問の設計ってどうして行くの?どこまでChatbotって賢いのでしょうか?
3. Chatbotの仕組みと種類
現在多くの消費者が目にするコアなChatbotには大きく分けて3つのタイプがあります。
- メニュー/ボタンベースのチャットボット
- キーワード認識ベースのチャットボット
- 文脈ベースチャットボット
1.メニューベースのChatbot
最も多いのがこのメニューベースのチャットボットです。
入り口から顧客にエンゲージを仕掛けるのが特徴で、質問やメニューを表示することでユーザーが最初の窓口を叩きやすいことが特徴的です。
この日本のチャット接客にこだわった不動産企業iettyは、最初からユーザーの希望とする住居エリアや条件、そして質問への回答によりユーザーがどれくらいの熱量であなたのビジネスでの解決を求めているのかわかります。またその熱量や具体性をはかる質問を設置するスキルが必要です。
2.キーワード認識ベースのChatbot
キーワード認識ベースのチャットボットは、メニュー/ボタンベースのチャットボットを拡張したものです。キユーザーは自由にテキストを入力することでビジネスち対話することができます。チャットボットはそのテキストを特定のキーワードで解析し、そのキーワードに基づいて適切な応答を返します。
例えば、ユーザーが「X(車種)という車のメリットは何ですか」と質問すると、チャットボットは「メリット」と「X(車種)」というキーワードを認識し、特定の回答を配布します。
Chatbotのキーワード設計はどのようにされているか?
Chatbotは精密な設計により、ブランドが組み立てて提供しています。これらを「ルール・ベース」のチャットとも呼びます。ほとんどの場合は自社内製ではなく、下記のようなユーザーエンゲージメントツールによりボットを設置することができます。
その中でもキーワードは、上記のようなダイアログの次の経路を認識するために使用される重要な要素です。キーワードによって、エンドユーザーの様々な質問や反応に応じてダイアログを構成し、分岐させます。
キーワードをリスト化し、そのキーワードの「意図」をあらかじめこちら側でカテゴライズし、その意図に沿った返答を考えることを繰り返し設計します。
例えば上記の場合だと、
"金曜日は何時まで営業していますか?"というフレーズの中から"何時"というキーワードを営業時間の問い合わせだとボットに認識させ、そのキーワードに沿った回答を用意していますね。
キーワードの長所
・入力の自由度が高い
・より高度な質問をすることができる
・より自然な会話ができる
ソーシャルメディアを使ったChatbot
Chatbotは独立配信型のものだけではなく、様々なソーシャルチャネルでも近年対応されています。
世界的メッセージアプリのWhatsAppやLINE、そしてFacebookメッセンジャー、Instagramと幅広く活用されています。それほどメッセージングマーケティングによるエンゲージメントの価値を企業が認識しているともいえるでしょう。
4. Chatbotの始め方
Chatbotは簡単なようで入念なリサーチと準備が必要です。
Chatbotを始めるには、
- 目的とゴールを定める > OKR
- Chatbotのプラットフォームを決める > Botアプリを使うの?Facebookを使うの?
- Chatというコンテンツ戦略を仕込む
- ブランドトーンを明確にする
- メッセージを書く
- カスタマージャーニーをマッピングする
- マッピングに基づいて実装を完成させる
1.目的とゴールを決める
ここは決してスキップしてはいけません。そもそも何を目的にChatbotを設置したいと考えていますか?
カスタマーサポートの時間を短縮したいのか、それともユーザーを囲い込んで接客に即繋げた売り上げをとりたいのか、顧客のデータを集めたいのか、、
何を目標にするかによってその後のチャットの設計が180度変化します。
2.プラットフォームを決める
Chatbotには様々な種類が存在します。どこにBotを設置するかも考えなくてはいけません。
・あなたのウェブサイト
・Facebookメッセンジャー
・Twitterのダイレクトメッセージ
あなたのウェブサイトに直接訪問する人は、他の媒体からのリーチよりも、あなたの商品やサービスについてより多くの知識を持っている可能性があり、確度も高く、Botはそれに応じてプログラムされる必要があります。
3-4. コンテンツ戦略とあわせてブランドトーンを定める
1で決めたであろう目的に基づき、Chatbotの設計土台となる戦略を考えましょう。
セールスなのか、カスタマーサポートなのか、何を提供したいのか?
また接客つまりセールスプラットフォームとして利用したい場合、顧客のどのようなアクションや言葉を引き出せばKPIの達成につながるのか?
カスタマーサポートの場合何が「問題の解決」として完了ステージにいくのか?どのようにスコアリングするのか?
そしてブランドとしてのトーンは?ブランドトーンは日本語で説明すると、企業としての「声の張りかた(調子)」を意味します。
あなたがユーザーに抱いてほしい企業のイメージをチャットという「会話」=一つ一つの口調がブランドイメージへとつながります。
フレンドリーより?ロイヤリティに努める?
例えばStatusbrewの場合、「お世話になります」よりも「こんにちは、〜〜さん!」というベースを築いています。
5.最初の質問となるメッセージを下書きする
実際にチャットボットでメッセージを設計していきます。まず窓口となる第一声をメッセージとして書き出しましょう。
エクセルやワードで組み立てても良いですが、Intercomのようなカスタマーエンゲージメントツールの導入を強くお勧めします。
6-7.カスタマージャーニーをマッピングする
最初の質問を下書きしたら、会話がどのように全体をエラけるか、どのようなものになるかをマッピングし始めます。上記で紹介したIntercomのようなチャットツールで行うことができますし、まだそこまで投資の余力がない場合は、Google Drawingsで作成することも可能です。