ストーリーテリングで新しいソーシャルメディアマーケティングを訴求する
こんにちは、Statusbrewです。
みなさんは何らかのストーリーに心を動かされたご経験はないでしょうか。
今回は、そのような心理を利用したソーシャルメディアでの新たなマーケティング方法である、ストーリーテリングについてご紹介します。
目次
1. ストーリーとは?
2.ストーリーテリングとは?
3. メリット
4. 良いストーリーを形成する要素
5. 各SNS上でのストーリーテリング
6. 活用事例
7. まとめ
1.ストーリーとは?
ストーリーとは感情を喚起するあらゆる「物語」「文脈」を指します。強力なブランド・ストーリーは心に語りかけ、単なる説明では伝わらないマーケティング・メッセージを伝えます。
2.ストーリーテリングとは
ストーリーテリングとは、近年注目を浴びているマーケティング手法の一つで、ブランドのメッセージや価値観を伝えるためにストーリーを発信することを言います。
顧客の深い理解や共感を促し、自社との感情的な結びつきを強めるようなストーリーを発信することによって、ブランドメッセージの認知が拡大し、エンゲージメントが高まるなど、多くの効果が見込めます。
これは、従来の商品やサービスの特徴を前面に押し出すプッシュ型マーケティングと比べ、顧客の心理的・行動的変化とともに購買意欲をかきたてると考えられています。
2. メリット
・記憶に残りやすい
膨大なデジタルコンテンツがあふれる現代において、自身のブランドや商品をオーディエンスの記憶に残すことは簡単ではありません。
印象深いコンテンツを作り上げるためには、伝えたいメッセージを説得力のあるストーリーに織り込むことが効果的です。
ある調査では、人は事実だけを伝えられるよりも、ストーリーで共有された場合の方が22倍も記憶に残りやすい、という結果も出ています。
参照:https://womensleadership.stanford.edu/resources/voice-influence/harnessing-power-stories
・エンゲージメントやLTVを向上させる
顧客がストーリーに共感すると、周りの人に話したりSNSに投稿するなど、拡散の機会を増やしてくれる可能性が高くなり、リーチ拡大のためのマーケティング費用をおさえることが出来ます。
また、説得力のあるストーリーは、ブランドが顧客のニーズを理解していることを示すことができます。これによってブランドに親近感を持ってもらいやすくなり、忠誠心が芽生えてファン化してゆき、企業の長期的な成長を助けるLTV(Life Time Value)の向上にもつながります。
・単純化して伝えられる
商品やサービス、コンセプトについてわかりやすく伝えることが求められるデジタルマーケティングでは、様々な情報を単純化して親しみやすくストーリーに乗せて伝えることが効果的です。
3. 良いストーリーを形成する要素
ストーリーにはフレームワークも存在します。
・中心となるメッセージ
物語の主旨を明確にします。これはオーディエンスの感情を揺るがして、何かの重要性を思い出させるような、道徳的なものであるといいでしょう。
・困難
緊張感なしに魅力的なストーリーは出来上がりません。
登場人物が目標を達成する過程で困難に直面する様子を描写することで、オーディエンスをハラハラさせ、最後まで観たい、聞きたいと思わせることが出来ます。
また、この印象深い体験を通して消費者とブランドを結びつけることにも役立ちます。
・キャラクター
印象的なキャラクター達も、良い物語の構成要素の一つです。
すべての登場人物に、目標、動機、声、長所、短所、課題、その克服方法などの個性を持たせましょう。
キャラクターの外見も、それぞれの内面を表したような特徴的なものにするとよいでしょう。
そして、全てのキャラクターが物語の中で一定の役割を果たすようにしましょう。
・舞台設定
舞台は物語の雰囲気に合った場所を選びます。
例えば、ストーリーがミステリアスなものであれば暗くて奇妙な場所を、おもしろいものであれば明るくて魅力的な場所にする、などです。
・リズムと構成
オーディエンスを飽きさせないためには、話に抑揚をつける必要があります。
長い文章と短い文章を織り交ぜ、シーンごとに段落で区切り、単調なナレーションは避けるようにしましょう。
また、ストーリーには綿密な構成が必要です。
どんな形態でも起承転結を付け、ストーリーの中心となるメッセージと連動するようにします。
・結末
テーマに結びつき、オーディエンス全員が明確に理解できるような結末を作りましょう。
また、ストーリーテリングをマーケティングに用いる場合は、物語の最後に行動を促すような呼びかけをするのが良いでしょう。
ストーリーのフレームワークとしては、以下の図が代表例になります。
※ヒーロー(主人公)がいる→その主人公は目標を持っている→困難にぶつかる→助言者に出会う→一緒に挑戦の旅に出る→その過程で障害に立ち向かう→それを克服する→目標を達成する
出典:https://longitude.ft.com/how-storytelling-frameworks-help-you-engage-your-audience/
4. 各SNS上でのストーリーテリング
文字数制限のないFacebookでは、文章で伝えたい長めのストーリーをシェアすることができます。
写真投稿がメインのチャネルであるため、視覚的にストーリーを伝えたい場合に使用しましょう。
代表的な例としては、プロフィール画面で見られる投稿が、横一列に3つずつ並んでいるのを活かして、3つ、6つ、または9つに区切られた画像を使って一枚の画像が完成するように投稿し、ストーリーを添えるというものがあります。
Twitterは、ハッシュタグを用いてブランドのストーリーを広めるのに適しています。
また、それによってファンなどコミュニティ内の他の人々のストーリーを集めることもできます。
例えば,、お菓子の包装紙などに、ファンから寄せられたその商品との思い出エピソードがのっているのを見たことはないでしょうか?
これには、多くのファンの人生の様々な場面に入り込んできた、愛された商品だという事を知ってもらうことが効果がありますが、商品を買ってくれた顧客にしか届きません。
同じ原理を用い、#(お菓子の名前)との思い出 などで、その商品にまつわるエピソードをTwitter上で募集し、さらに拡散してもらうことによって、リーチを広げ、新規顧客獲得を目指すこともできるでしょう。
・YouTube
テキストコンテンツよりも人々の目を引く動画を使って、ブランドの伝えたいメッセージをテーマにした作品をシェアしましょう。
5. 活用事例
ここでは、実際にソーシャルメディア上でストリーテリングを行っている企業の実例を見ていきましょう。
・Apple
Appleでは、#ShotoniPhoneというハッシュタグでユーザーからiPhoneカメラで撮った写真を募集し、自身のインスタグラムアカウントのフィードで紹介しています。このようにユーザーが見たもの、体験したことを共有する場をブランド自ら提供することで、ユーザーとつながり、彼らが親近感を持てるソーシャルメディアプレゼンスを実現しています。
また、以下のYoutube上に投稿された11分にわたる動画は、ある家族と忘れ去られていった三輪車の物語、またカメラワークを通して、iPhoneカメラの性能をアピールするものとなっています。
・Tide
洗濯用洗剤メーカーであるTideは、Tide Loads of Hopeキャンペーンと称し、被災地を支援する活動を行っています。内容としては、災害にあった地域に移動式コインランドリーを設置し、必要としている人々の洗濯を無料で行う、というものです。そして、サービスを必要としている人々に情報を届けるため、また、この活動に共感してくれる人々とつながるために、頻繁にソーシャルメディアに投稿しています。
・Always
女性用生理用品メーカーのAlwaysでは、#LikeAGirlというハッシュタグを用いて、活躍している若い女性を取り上げる投稿を多く作成しています。一見良いイメージを抱かない”女の子のように”というフレーズをポジティブなものに変えるべく、このような取り組みを行っています。これはただ商品をPRしただけではネガティブな印象と結びつきやすい生理用品メーカーならではの戦略と言えるでしょう。
・Dove
石鹸のメーカーであるDoveは、ストーリーテリングの中で実在の人物に焦点を当てることに力を入れてきました。以下のYouTube上に公開された動画は、兵役に行っている間に子供が生まれたにも関わらず、未だに会えていない父親と、その帰りを待つ妻のインタビューから始まります。そして最終的にサプライズで妻と子が夫に会いに来るストーリーは、見る人の感情を動かすものとなっています。これは、Doveの石鹸が持っている肌のお手入れを助ける癒しの力とリンクしており、説得力のあるストーリーと言えるでしょう。また、このようなプラスの感情は、無意識のうちにそのブランド自体への好意や忠誠心も高めると言われています。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
ストーリーテリングを使うことで、ブランドは顧客との間に深い理解と感情的な結びつきを持たせることが出来ます。まだまだ日本では浸透していないこの手法を使って他社との差別化を図り、効果的なマーケティングをおこなっていきましょう。