ソーシャルメディア分析で成功するための方法 〜基本的な間違いは依然として企業が犯している〜

2020年8月7日 5 min read

こんにちは、Statusbrewです。ソーシャルメディアはキャンペーンの管理、CRM、ビジネス・インテリジェンス、コンバージョン分析などマーケティング戦略に利用できると共に幅広い可能性を秘めているのも関わらず、多くの企業はソーシャルメディアを一方通行の販売促進用のツールとしてしか使っていないことが現状です。

また、企業の31%はソーシャルメディアの効果測定をしていないことも判明しています。それでもCMO調査では、マーケティング担当者のほぼ半数がソーシャルメディアへの投資してもインパクトの大きさを示すことができないと声が上がっています。そのため、あなたの企業のソーシャルメディア戦略が何であれ、初心に戻って基本を確実にカバーしておくためにこちらの記事を執筆しています。

とても意外なことなのですが、Fortune紙のトップ500に名前がランクインするような企業ですら、多くのブランドが明確な戦略なしにソーシャルメディアの第一線に参入しています。しかしその後、ソーシャルメディアの有効性が叫ばれるようになりROIのより大きな証明が要求されるようになったため、ソーシャルメディア戦略をビジネス戦略に結びつけるために後退していることに気付きました。

そもそものマーケット戦略に時代に沿った移り変わりについてはこちらのブログをご参照ください!

企業がソーシャルメディアを始めるにあたって犯すよくある間違いがいくつかあります。1つ目は、ソーシャルメディアの目的から始めてしまうこと。InstagramやFacebook、Twitterなどのソーシャルチャネルを利用して、高評価、コメント、シェアの数を増やすための目標を設定するかと思います。このアプローチも理にかなっているように聞こえますが、ソーシャルメディアのみの視点でしか成り立っていません。結局のところ、それはあなたのビジネスにとって実際にどれだけ価値があるのかが欠けています。ソーシャルメディアのエンゲージメント=アクションをビジネス目標に関連付けない限り、ROIは理解しづらく、結局ただ投稿するだけで終わってしまいます。

ハーバードビジネスアナリティクスレビューより引用

では、ソーシャルメディアへの取り組みが企業やブランドにとって価値のあるものなのか、そして収益に積極的に貢献していることをどのようにあなたは確認しますか?ソーシャル戦略をビジネス目標に変換し、次に、ターゲット市場、ソーシャルメディアプラットフォーム、私たちのようなサードパーティー製のツール、およびメトリックについて考えることによってやっと基本が成り立ちます。ベースの部分ですね。

何を目標にすれば良いのか

人生の目標…ではないのでまだ簡単だと思います(笑)企業としての目的やターゲットオーディエンスが異なれば、異なるソーシャルチャネル(例:TwitterじゃなくてInstagramの方が良いなど)やツールが必要になる場合があります。単にブランドの現在のソーシャルメディアアカウントでフォロワーやエンゲージメントの指標を高めるための目標を設定しないように気をつけましょう。今あなたが使っているこれらのプラットフォームは、ビジネス目標にとって間違っている可能性があります。

ビジネスとしてソーシャルメディアにせっかくの時間を費やしている場合、可能な限り最高の結果を確実に得たいと思いませんか?これは、ソーシャルメディアプラットフォームに関連するビジネス目標の設定が大切になってきます。

追跡する必要があるメトリック(指標)を決定する前に、ソーシャルメディアプラットフォームの目標と、それらがあなたのビジネス全体にどのように関連しているかを判断する必要があります。

特定のビジネス目標と一致しない追跡メトリックは、大切な予算と貴重な時間を費やしすぎる可能性があります。ビジネスで追跡する必要のある指標は、実際には目標によって異なりますが、ソーシャルメディアマーケティングにおける目標の一例をあげます。

・ブランド認知度を高める
・熱心なコミュニティ(例:Facebookページのグループ)を構築する
・オーディエンスの調査
・ 売上と リード の促進
・視聴者の関心を高める
・トラフィックをWebサイト/特定のページ(例:購入ページ)に誘導する
・ 新しいリードを生み出す
・ パブリック・リレーションズ/メンションを増やす
・ 業界のコラボレーションを強化
・ ROIを改善する

さて、最も意味のあるビジネスの目標を特定するには、いくつかStatusbrewから質問があります。自分がソーシャルメディアマーケティングで成功もしくは失敗していることをどのようにして判断しますか?上司やチームのリーダーにどのようにわかってもらいますか?ビジネス目標は、上記のリストだけではなく売り上げの増加、見込み顧客の獲得、顧客満足度の向上から、認知度の向上、インフルエンサーの獲得までさまざまです。したがって、「6か月以内に、週に5回は投稿することで、ファンの数を増やし、Facebookページへのエンゲージメントを増やしたい!」のような、ソーシャルメディアに焦点を当てた目的であってはいけません。それはあくまで戦略であり、明確な目標ではありません。ではどのような目的だったら良いのでしょうか?それは「6か月以内に25〜35歳までの女性ユーザーのブランドに対する認知度を20%高める」ことです。Statusbrewでは、このように実際のビジネス目標は、ビジネスへのコンバージョン、ブランドの認知、およびカスタマーエクスペリエンスからもたらされることを掲げています。

共通点は「何をしたいか」を明確にすること

ユーザーである顧客の深層心理を追跡して、ビジネスにつなげることに置くとして、まずは、基本から始めましょう。Statusbrewは「エゴサーチ」「モニタリング」「バズマーケティング」の紹介で有名になったくらい(自分で申し上げるのも何ですが)、基本はリスニング(傾聴)であると唱え続けています。

ソーシャルメディア分析の成功のコツ

1. 基本的なブランドモニタリング/リスニング
ソーシャルメディアの分析において、まずこの構築をできるかどうかで結果が変わってきます。まずはあなたの企業の製品やサービスのソーシャルメディアメンションがTwitterやFacebook上でどれだけの数があるか見てみましょう。

Statusbrewのブランドモニタリング機能では製品名やサービス名をキーワードにして情報を抽出し、そのユーザーからの評価を高度な機械学習によりポジティブなのかネガティブか組み分けします。こちらをセンチメント分析と読んでいます。また自社だけではなく競合他社の製品やサービスがユーザーに受け入れられているか、他社がユーザーからの問い合わせにどのようにカスタマー対応しているかも学ぶこともできます。

2. 原因もリスニングをする
自社の製品について把握ができたら、次は原因をリスニングしましょう。こちらではインフルエンサーつまり他のオーディエンスにとって購入の意思を左右するような影響力の強い消費者を特定してCRMに追加しましょう。たとえば、長く好意的に評価してくれていたユーザーがネガティブ評価に変わった場合、その経緯をつかんで対処法を考えることができるようになる。

3. 時系列による分析をする
ユーザーのセンチメント(ポジティブかネガティブか)の変化を、1習慣前と比較、1カ月前との比較、半年前と比較、そして1年前と比較と、時系列別に抽出し、そこでマーケティングの担当者であるあなたがが実行したキャンペーンなどの戦略がユーザーの心をどの程度掴んだのかをキャッチしましょう。ソーシャルメディアの分析指標の結果だけを見るのではなく、社内の部署ごとの売り上げデータの分析結果と突き合わせ、ユーザーのセンチメントの変化やインバウンドメッセージの一つ一つの内容を掛け合わせて、そしてあなたの事業の状況と照らし合わせてユーザーのアクション傾向をつかみ、抜本的に対策を考えることが必要です。

4. こちらからエンゲージメントを仕掛ける
ユーザーからの一方通行ではなく、エンゲージメントの相互作用を生み出しましょう。Statusbrewではリアルタイムにユーザーの声が届きます。まずカスタマーサポート用のアカウントはつくっていますか?とても良い例は日本のSaaS企業ではマネーフォワードMFさん、そしてベルリンで欧州初のスマホ専用銀行N26です。ネガティブな意見には積極的に対処するなどの方法で、炎上を抑え、企業として明確なメッセージを広く消費者へ届けることを目指しています。ユーザーも電話やお問いあわせフォームに問い合わせするよりもTwitterで世界中に向けて発信した方が、言い方は悪いですが慌てて対応してくれるのを知っている、というお互いに利害が一致している例が多く見受けられます。

N26のカスタマーサポート専用アカウントの対応。DMでの対応を促していますね。


5. ソーシャルメディアで達成度を測る
モニタリングしたのちにKPIの達成度のフィードバックを行い、ROIを達成したかどうかも行います。ROIの達成度評価は施策ごとに行い、ここでは単に収益性を評価するだけでなく、ブランドイメージの向上や炎上やネガティブコメント、スパムがなかったか、それを未然に防いだか、ユーザーからコメントはなかったかなど、ユーザーのセンチメントを柱にしたROIを導き出しましょう。

コンテンツやユーザーからのインバウンドメッセージの一つ一つ、一言一句がそれぞれどれくらいのボリュームがあるのか、そしてどの要素が結果を変えているのかを諦めずに細かく分析してみませんか?Statusbrewではキーワード分析とセンチメント分析にさらにタグ分析というオリジナル機能を用いてこれら上記の結果を証明するお手伝いをしています。

特定のタグやキーワードを機械学習によりポジティブかネガティブかを検出するセンチメント分析

いかがでしたでしょうか?漠然としたゴール設定ではなく、具体的にやりたいことを明確にしてから導入することが重要です。

Statusbrewでソーシャルメディアの計画性のある投稿(一括予約)〜エンゲージ、そして本題である分析までをして結果を出してみませんか?

Hisami Matsubara

北インド発のソーシャルメディアモデレーション&アナリティクスツールStatusbrewの日本支社代表です。日本市場立ち上げのため、2019年単身で渡印し、インド在住5年目です。 「日本語でありそうでない」マーケティング知見を執筆します。 91年生まれ岐阜県出身。少女漫画と文学作品、ワインとインドが好きです。

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